ファイザーの新型コロナワクチン、初期の治験が好結果
【ニューヨーク=西邨紘子】米製薬大手ファイザーは1日、独製薬ベンチャーと共同開発する新型コロナウイルスワクチンの初期の臨床試験(治験)が好結果だったと発表した。異なる用量を接種した治験参加者に、新型コロナから回復した患者を超える水準の抗体が確認できた。重篤な副作用も見られなかった。早ければ今月中にも、最大3万人を対象とした次の段階の治験に進む。
ファイザーは独バイオファーマシューティカル・ニュー・テクノロジーズ(ビオンテック)と組み、RNA(リボ核酸)ワクチン候補「BNT-162」4種類の治験を進めている。今回、結果を公表したのは、最も治験が先行する1種類。
5月から米国で実施した治験の45人の参加者に異なる用量のワクチンを接種したところ、最初の接種から28日目には新型コロナの回復患者に比べて1.8倍~2.8倍の水準の抗体が体内に作られたことが確認できた。高用量を接種した患者を中心に接種部位の痛みや発熱などがあったが、重篤な副作用は見られなかった。
ファイザーは既に既存のワクチン製造施設で量産できる体制作りを進めており、2020年末までに1億本、21年には12億本の供給が可能と見ている。

新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
-
【よく読まれている記事】
- 新型コロナウイルスは体内にいつまで残るのか
- 「コロナに決してかからない人」はいるのか?