ロシア改憲投票、賛成7割超 プーチン氏5選「信任」

2020/7/2 5:35 (2020/7/2 10:31更新)
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投票用紙を受け取るためにパスポートを提示したプーチン氏(1日、モスクワ)=AP

投票用紙を受け取るためにパスポートを提示したプーチン氏(1日、モスクワ)=AP


【モスクワ=小川知世】ロシアで1日に実施した憲法改正法案の賛否を問う全国投票は即日開票され、賛成が7割を超え、改憲法案の成立が確実になった。改憲により2024年に予定する次期大統領選へのプーチン大統領の5選出馬が可能になる。同氏は体制の長期化に向け、国民の「信任」を得た格好だ。

改憲法案は206項目で、投票者の過半数の賛成による結果の確定後、即日発効する。中央選管が2日発表した暫定結果によると、開票率99%で賛成票は78%、反対票が21%だった。投票率は65%。政権の目標とみられていた「投票率55%、賛成率65%」を上回った。

改憲法案の焦点は大統領の任期制限を巡る部分だ。「通算2期」と定める一方、これまでの任期は適用外と定める。24年にいまの通算4期目を終えるプーチン氏の続投に道を開く。プーチン氏は5選出馬の可能性について「排除しない」と明言した。国民の支持や内外の情勢を考慮して慎重に判断するとみられる。

全国投票で多数の賛成票を集めた一因は、改憲法案に国民受けが良い条項が数多く盛り込まれたことがある。「国境画定を除き、領土割譲に向けた行為や呼びかけを許さない」などと記し、愛国心に訴えた。領土割譲の禁止は日ロ間の北方領土問題の解決をさらに難しくする可能性がある。

憲法を国際機関の決定より優先させることや、同性婚の否定なども盛り込み、政権を支える保守層に訴えた。最低賃金の保障や年金を定期的に見直すことも明記し、貧困層や高齢者からの賛成票の獲得につなげた。

反体制派の一部が棄権を呼びかけ、結果的に賛成票の比率が増えた面もある。1日午前にモスクワで投票した有権者からは強権的な長期体制への不満から反対票を投じたとの声も目立った。様々な改憲項目について、一括で「賛成」「反対」を問う投票の方法自体を違法とする指摘もある。

全国投票は新型コロナウイルスの感染拡大が続くなかで強行された。ロシアでは新たに確認される1日当たりの感染者数がなお6000人を超える。景気悪化などからプーチン氏の支持率は低下傾向で、焦りを募らせた政権が全国投票の早期実施に踏み切ったようだ。

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