FRB「物価2%超」容認へ ゼロ金利維持へ新指針案

2020/7/2 5:14 (2020/7/2 6:54更新)
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FRBはゼロ金利政策を長期にわたって維持する新指針をつくる=ロイター

FRBはゼロ金利政策を長期にわたって維持する新指針をつくる=ロイター


米連邦準備理事会(FRB)は新型コロナウイルスによる景気悪化を強く懸念し、ゼロ金利政策を長期にわたって維持する新指針をつくる。物価上昇率目標を緩め、2%を超えても当面は利上げをしないと明示する案が有力だ。量的緩和の拡大も含め、7月末の次回会合で議論する。

FRBは1日、6月9~10日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。会合では、参加者が「景気の先行きには極めて大きなリスクがある」などと主張。新型コロナの感染が再拡大する可能性が高いとの指摘も相次ぎ、金融緩和の追加策を検討した。

1つは、ゼロ金利を維持する期間を指針として明示する「フォワードガイダンス」だ。FRBは3月にゼロ金利政策を復活させ、追加利下げの余地がない。ただ、ゼロ金利を当面は解除しないと約束すれば、投資家や企業はより安心して資金調達できるようになり、金融緩和の効果が高まるとみている。

6月の会合では具体策として、多くの参加者が「物価目標を一時的に超過するまで、ゼロ金利を解除しない」という案を支持した。2%のインフレ率を超える「緩やかな物価の過熱」を容認する案で、市場が早期の利上げを不安視する懸念がなくなるとみている。足元では物価上昇率が0.5%にとどまっており、コロナ危機によるデフレ圧力が鮮明だ。

前回の会合では量的緩和政策の先行きも改めて議論した。FRBは3月に米国債や住宅ローン担保証券の大量購入を再開し、現在は米国債であれば月800億ドルの購入を当面の目安としている。FRBは1日公表した議事要旨で「次回以降の会合で、追加の金融政策の意図をさらに明示する」としており、7月末に開く次回会合で、フォワードガイダンスや量的緩和の拡大など、具体策を決める可能性もある。

前回会合では、中長期の金利に上限を設定する「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の導入も議論した。似たような仕組みとしては、日銀が10年物国債利回りをゼロ近辺に誘導し、オーストラリアでも3年債利回りの誘導目標を0.25%と設定している。

FRBは中期金利に目標をつくる豪州型が望ましいとしたものの「YCCは政府債務の大量購入につながって、中央銀行の独立性に対するリスクを伴う」との異論も噴出した。FRBは第2次世界大戦時にYCCに踏み切り、低利の戦費調達を手助けした結果、その後のインフレを抑えきれなかった歴史がある。6月の前回会合では、YCCの効果やリスクをさらに検証していくと一致したものの、早期の導入には慎重な意見が強まりつつある。

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