夜の繁華街、客足徐々に 愛知の休業全面解除1カ月

2020/7/2 3:00
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新型コロナ対策として席にアクリル板の仕切りを設けて営業する居酒屋(1日、名古屋市中区)

新型コロナ対策として席にアクリル板の仕切りを設けて営業する居酒屋(1日、名古屋市中区)

新型コロナウイルスの影響で一時は閑散としていた中部地方の繁華街に人出が戻りつつある。カウンター席にアクリル板を設けた名古屋市の居酒屋には常連客が顔を出すようになった。愛知県の休業要請の全面解除から1日で1カ月。夜の街を楽しむ人も新しいにぎわいの形を探っている。

1日夜、名古屋・栄の居酒屋「花海棠(はなかいどう)」は常連客でにぎわっていた。飛沫防止のためにカウンター席の間にアクリル板を置き、通常の半分の3人しか座れない。来店した銀行勤務の女性(44)は「職場はまだ自粛ムード。同僚と飲みに出る夜は少ないが、1人ならいいと思って」とほほ笑んだ。

店主の松田亮子さんは5月の大型連休明けに営業を再開した。一時は感染拡大前の2割ほどまで売り上げが落ち込んだが、少しずつ常連客が戻り、コロナ禍以前の半分ほどまで売り上げが回復した。「最悪の状況は過ぎたかな」

とはいえ、売り上げが完全に戻るのは当分先になりそうだ。鶏料理など名物の「名古屋めし」を目当てに訪れていた観光客や出張客は見込めず、5月下旬からランチ営業も続けている。松田さんは「働きづめで眠さはあるが、自分の料理を楽しみにしてくれるお客さんは多い。踏ん張っていきたい」と意気込んだ。

中部最大の歓楽街「錦3(きんさん)」をはじめ、繁華街の居酒屋やレストランは仕事終わりの会社員らの利用が増えつつある。1日夜も多くの人が通りを行き交い、早い時間からにぎわう飲食店も目立った。

不動産会社に勤める女性(26)は「会社の飲み会は増えてきたが、同僚との距離が近く感染リスクを感じることは多い」と複雑な思いを語る。メーカー勤務の男性(61)は「これから2次会。酔っ払っても手指の消毒は忘れないようにする」と注意を払った。

愛知県は政府の緊急事態宣言の解除を受けて5月中旬から段階的に休業要請を緩和し、6月1日に全面解除した。三重県は5月15日に全面解除し、岐阜県は風俗店など一部業種にだけ今も休業要請を続けている。

集団感染のリスクが高いとして愛知県が最後まで休業を求めていたカラオケ店にも客が戻っている。エクシング(名古屋市)子会社が運営する「ジョイサウンド」は6月3日、愛知県内ほぼ全店で営業を再開した。使い捨てのマイクカバーを用意し、機器の消毒も徹底する。広報担当者は「若者だけでなく幅広い層の客が少しずつ戻ってきている。今後も感染予防に気を配って運営を続けたい」と気を引き締める。

同市中区のスナックは6月初旬、常連客限定で営業を再開した。経営者の女性(49)は「高齢のお客さんはまだ感染を恐れて街に出ない。先月は赤字だった」とこぼす。ただ7月は予約が増えており、「梅雨が明ければ人が増えてくるかもしれない」と前を向いた。

(植田寛之)

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