合否判定日程や出題範囲見直し、大学が対応苦慮

2020/7/1 19:45
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大学入試センター試験に臨む受験生(1月、東京都文京区の東京大学)

大学入試センター試験に臨む受験生(1月、東京都文京区の東京大学)

2021年春に実施する入試を巡り大学が苦慮している。新型コロナウイルス禍で学習が遅れた受験生への配慮で合否判定の日程延期や出題範囲の見直しが必要になったためだ。個別試験の日程などは7月中に公表する予定で、各大学は検討に追われている。

「合格発表日を変更しないといけない」。早稲田大の担当者が明かす。大学入学共通テストの成績提供が想定より約1週間ずれ、21年2月6日から順次予定していた法学部などの合格発表に間に合わなくなったからだ。

約50万人が受験し、国公私立大の9割にあたる約700校が合否判定に使う共通テスト。21年は1月16、17日の「第1日程」のほか、同30、31日の「第2日程」が実施される。学習が遅れた生徒への配慮で、病気などで受けられなかった生徒向けの「特例追試験」も2月13、14日に設けた。

第2日程を設けたことで大学への成績提供は予定の2月2日から8日以降にずれた。特例追試の成績提供はさらに遅い18日以降になる。共通テストを使う大学への影響は大きく、合否判定の日程見直しを迫られている。

関西のある私立大は共通テストを入試に利用する学部ごとにスケジュールを組み直す。入試担当者は「学部は10以上ある。1カ月以内にとりまとめて公表するにはあまりに余裕がない」と語る。

国公立大は個別試験にあたる前期日程の出願を2月3日に締め切り、同25日に試験を始める。共通テストの成績で個別試験に進む受験生を絞り込む「2段階選抜」を実施する大学は、成績提供が間に合わないことを危惧。「2段階選抜を実施できないと受験生が多くなりすぎて混乱は必至だ」(ある国立大)

今春の国公立大入試の前期日程では23大学39学部で2段階選抜が実施された。その一つの国立大の入試担当者は「2段階選抜をするには前期の出願時期を繰り下げないといけないが、公平性の観点から全国立大で足並みをそろえる必要がある」と指摘。国立大学協会が近く示す方針をうけて対応を検討する。

文部科学省はコロナ禍で学習が遅れた生徒への配慮で、大学に個別試験での出題範囲の削減、選択問題の追加を求めた。ある国立大が「作成済みの問題の作り替えも検討している」と明かす一方、立命館大の入試担当者は「どこまで範囲を配慮すべきか明確でない。選択問題は両方解ける受験生が有利。公平といえるのか」と首をかしげる。

文科省は新型コロナに感染して個別試験を受験できなかった場合の配慮も大学に求める。

立命館大は新型コロナに感染して受験できなかった志願者が別の日程で振り替え受験できるようにする方針だ。「2~3月に延べ8日間もの試験日があり、後期試験も15学部で実施する。なんとか受験機会を提供できるだろう」と話す。

感染拡大の「第2波」「第3波」が来れば試験そのものを実施できず、全てが白紙になる可能性もある。上智大の担当者は「2月の試験を無事に実施できるかも不透明なので、秋に行う総合型選抜(これまでのAO入試)の合格者を例年より増やすことも選択肢だ」と説明。個別試験ができなくなった場合は、書類選考のみでの合否判断もあり得るとしている。

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