新潟・長野の景況感、リーマン以来の低水準 日銀6月短観

2020/7/1 19:10
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日銀の新潟、松本両支店は1日、6月の短期経済観測調査(短観)を発表した。企業の景況感を示す業況判断DIは、新潟、長野ともにリーマン危機後の2009年以来の低水準となった。製造業、非製造業ともに新型コロナウイルスの感染拡大による社会・経済活動停滞の影響が改めて浮き彫りになった。

業況判断DIは景況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。調査対象は新潟が279社(回答率99.6%)、長野が241社(同100%)だった。調査期間は5月28日から6月30日まで。

全産業の業況判断DIを見ると、新潟県がマイナス38で前回3月調査から20ポイント低下。また、松本支店による長野県内のDIはマイナス47と33ポイント悪化し、前回に比べた悪化幅は過去最大だった。

新型コロナへの感染警戒による外出自粛などから観光客の減少が続く宿泊、飲食業などの非製造業で景況が一段と悪化している。新潟のDIは21ポイント悪化のマイナス31、長野はマイナス40で31ポイント悪化した。「宿泊・飲食サービス」と冠婚葬祭など「対個人サービス」の業況判断DIは新潟、長野ともにマイナス100。回答した全企業が景況を「悪い」と答えた。

製造業でも自動車や航空機関連の需要低迷などで不透明感が増している。新潟は19ポイント悪化のマイナス46、長野はマイナス53で36ポイント悪化した。

長野の製造業を業種別に見ると自動車関連の輸送用機械が国内外の自動車メーカーの稼働停止などで大幅に悪化し、マイナス91となった。自動車関連の不振は電気機械などにも及んでいる。比較的好調だった食料品も新型コロナによる外食や土産物などの低迷でマイナス43まで落ち込んだ。

新潟では地場産業の一つである繊維業のDIが前回のマイナス82からマイナス100へと落ち込んだ。佐久田健司・新潟支店長は1日の記者会見で「製造業も、外出自粛などの影響を直接的に受ける非製造業とほぼ同様の下振れになってきている」と指摘した。

新型コロナの影響や終息の行方が不透明なことから、先行きにも慎重な見方が続いている。3カ月後の先行き見通しDIは全産業で新潟がマイナス45と今回からさらに7ポイント悪化する見込み。長野ではマイナス44と3ポイント改善するが、6月からほぼ横ばいの水準にとどまる。

今回の短観の結果などを踏まえ、新潟支店は前月に据え置いていた県内経済の基調判断を下方修正した。6月までの「新型肺炎の拡大の影響により、厳しさを増している」から7月は「新型肺炎の影響により、きわめて厳しい状態にある」に表現を変えた。輸出や生産の判断も「減少している」から「大幅に減少している」に下方修正。公共投資、雇用・所得も表現を変更した。

一方、松本支店は7月の長野の景気判断を「厳しい状況が続いている」として、6月から据え置いた。和田健治支店長は「『一段と厳しさを増している』とした前月と同じく厳しい状態に変わりはない。往来自粛の解除による客足の回復などプラスの要因も見えてきているが、決して楽観はしていない」と述べた。

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