静岡の6月景況感 調査開始以来の悪化幅 日銀静岡支店

2020/7/1 19:42
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日銀静岡支店が1日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)は、景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業で前回の3月調査比34ポイント低下のマイナス44だった。下げ幅は、全支店で調査が始まった1974年5月以来過去最大だった。9月の先行き予測は5ポイント増にとどまり、野見山浩平支店長は「長期戦を覚悟しなければならない」と語った。

製造業のDIは37ポイント悪化のマイナス56、非製造業のDIは28ポイント悪化のマイナス31だった。業種別にみると、製造業の中でも輸送用機械はマイナス67と最低水準だ。スズキの5月の四輪世界生産(速報値)は、前年同月比8割減となった。マイナスは5カ月連続。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、主力のインドをはじめ各国工場の稼働が停止したことが響いた。生産は段階的に再開しているが、フル稼働までの回復には至っていない。

景気の底堅さを支えてきた設備投資も、原資となる企業収益の戻りが読めない。通常、年度の中で調査回を重ねるごとに上方修正がかかる設備投資計画も、20年度計画については前回調査から13.3ポイント減のマイナス6.8と異例の下方修正となった。

ホンダ系部品メーカーのユタカ技研は21年3月期の設備投資を当初前期(約95億円)並みとしていたが、「コロナの影響で資金繰りは厳しい。不要不急の設備投資は絞る方向で検討する」(同社)という。河合楽器製作所は、グランドピアノの旗艦モデル「シゲルカワイ」の生産能力増強など会社の成長に必要な投資以外は全体的に抑える方針だ。

焼津市の水産加工品メーカーは、今年度着工予定だった新工場の計画をいったん白紙にした。社長は「これまで好調だった主力の土産品やギフトの需要が4月から激減し、売り上げが現在まで6~7割減少しているため」と理由を説明した。

資金繰りの指数は全国で見ると46年ぶり、静岡県でみてもおよそ38年ぶりの悪化幅となった。自動車部品メーカーのユニバンスは計40億円のコミットメントライン(融資枠)を設定する契約を静岡銀行やみずほ銀行と結んだ。感染拡大の長期化リスクを踏まえ、機動的に資金を調達する手段を確保する。

野見山支店長は、新型コロナの第2波、第3波の到来の懸念や「新しい生活様式」による活動制約で、足元の業況回復には時間がかかると説明した。一方、リーマン・ショックと比べた場合「金融市場の安定はひとつの安心材料だ」とした。

DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いた値。5月28日から6月30日、273社を対象に調査し、271社から回答を得た。

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