コロナ禍で患者2割減 4月、小児科などで顕著に

2020/7/1 19:30 (2020/7/2 6:37更新)
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新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が出された4月の患者受診数が、前年比で2割減ったことが1日分かった。病院より診療所の落ち込みが顕著で、小児科などは4割減少した。医療体制が逼迫し一部で治療が延期されたほか、外出自粛で不要不急の受診を控えた結果とみられる。

東京医科歯科大の川渕孝一教授(医療経済学)は「救急措置などが少ない診療科で患者が減った印象で、小児科は予防接種を遅らせた影響も考えられる。不急の受診が減った面と、必要な医療を受けられなかった面が複合しており、国は精緻に分析すべきだ」と指摘する。受診の適正化などの議論にも影響しそうだ。

健康保険に加入する人口の約6割をカバーする社会保険診療報酬支払基金が公表した4月分の診療報酬請求件数を分析した。同件数は患者の受診数を示し、全体で前年同月比22.5%減少した。12.7%減だった3月より落ち込んだ。

4月は病院で19.0%減だった一方、診療所は23.4%減とマイナス幅が大きかった。診療所の科ごとに患者数をみると、耳鼻咽喉科と小児科は4割前後減り、眼科も3割超のマイナス。産婦人科や皮膚科は1割減だった。

都道府県別では東京、埼玉、千葉の3都県で3割を超す患者減が起きた。新型コロナの感染者が多く「特定警戒」に指定された13都道府県での減少が目立ち、岩手や宮崎は1割減にとどまった。

政府は4月に電話やオンラインによる遠隔診療を全面的に解禁したが、受診減を補うまでには至っていない。日本医師会の診療所への調査では、同月に初診が遠隔診療だった件数は全体の0.2%、再診は1.7%にとどまる。

急ぐべき治療が後回しになった可能性もある。医療コンサルティングのグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)は顧客242病院の診療データを分析。4月の入院を治療内容別にみると、脳梗塞で14.1%、心不全で13.5%、胃がんで7.3%それぞれ減っていた。

同社は「新型コロナの影響で、緊急性の高い治療の一部が延期されたことを示唆している」と指摘する。医師やベッドが不足し、十分な医療を提供できない状態に陥っていた可能性がある。

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