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テレワーク、母親の負担増に 子育て整備道半ば

「子どもの預け先がないと生活が立ち行かない」。東京都江東区の大学教員の女性(38)は、神経をすり減らす在宅勤務の日々が続く。新型コロナウイルスを巡る緊急事態宣言の解除を経て、今に至る2カ月半。パソコンで仕事をこなしながら、5歳の長女の世話に追われている。

長女が通う認可保育園は6月末まで「登園自粛」で、在宅勤務が認められない会社員の夫は日中は不在だ。勤務先の大学は新学期からオンライン授業が始まり、慣れない講義の動画撮影は一苦労。長女が騒ぐこともあり、仕事が進まず疲れだけがたまる日もある。

女性は「現実的に仕事を休めないのは(医療従事者などの)エッセンシャルワーカーだけではない。育児をしながらのテレワークはもうやりたくない」とこぼす。

都内では5月25日の緊急事態宣言解除後も感染拡大防止のため、多くの自治体が一部の家庭を除き、6月末までの「登園自粛」を求めた。在宅での仕事と育児を両立せざるを得なくなった家庭は少なくなく、負担が女性に偏る課題も改めて浮き彫りにした。

東京大大学院発達保育実践政策学センターが5月までに実施した調査によると、都内の未就学児のいる家庭で、新型コロナで仕事を休んだ母親は23.8%。父親は5.2%だった。職場や外の仕事が中心の父親は30.7%で、母親(10.4%)と3倍近く開いた。

調査をした野沢祥子准教授(保育学)は「コロナ後も見据え、男性に育児休暇を促すなど、柔軟に子育てに参画できる支援策が求められる」と指摘する。

男女を問わず働きやすい社会となるうえで、待機児童の解消は欠かせない。日本経済新聞の調査では、23区における待機児童数は2020年4月時点で約990人で、16年の約5600人から8割超減少した。だが、住む地域によってばらつきがあり、解消に向けては道半ばの状況にある。

保育士不足も深刻だ。都によると、保育士の有効求人倍率は「コロナ前」の19年12月時点でも5.71倍で、全国平均の3.83倍を大きく上回った。感染防止策など現場の労務負担は増しており、離職を防ぐためのサポートも必要になる。

保育や女性の就労に詳しい東京大大学院の山口慎太郎教授(労働経済学)は「感染の第2波に備え、感染防止策をとった上での保育園の受け入れ維持など、家庭の暮らしを守りながら育児できる環境づくりを検討すべきだ」と話している。

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