コンゴに「痛惜の念」 ベルギー国王、植民地支配めぐり書簡

2020/7/1 16:39
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ベルギーのフィリップ国王は6月30日、アフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)のチセケディ大統領に宛てた書簡の中で、75年にわたるベルギー支配下での残虐行為について「痛惜の念を表したい」と伝えた。ベルギー国王がコンゴに謝罪したのは初めて。米国で起きた黒人男性の暴行死事件を契機にベルギーでも植民地時代を見直す動きが出ている。

ベルギーのフィリップ国王はコンゴのチセケディ大統領に宛てた書簡で「あらゆる人種差別と闘い続ける」と表明した=ロイター

欧米メディアが伝えた。19世紀後半から20世紀初め、当時のベルギー国王だったレオポルド2世はコンゴの広大な盆地を「コンゴ自由国」の名の下に私有地化した。世界的な需要があった天然ゴムを生産する農園で先住民の強制労働者に過酷なノルマを課し、多くの死者を出したとされる。

フィリップ国王はコンゴ独立60年を記念した書簡で、1885~1908年の「コンゴ自由国」時代に「残虐行為が行われた」と明言した。その後のベルギー政府による植民地時代も、コンゴの人々に「苦しみと屈辱をもたらした」と認めた。

当時コンゴに駐在していたロジャー・ケースメント英国領事が残した1904年の調査によると、ノルマを達成できなかった先住民らの手足を切断するなど、非道な搾取が横行していた。

米国で白人警官が黒人男性を暴行して死に至らせた事件を受け、ベルギーではレオポルド2世像が落書きされたり塗料で汚されたりする事例も出ている。フィリップ国王は「過去の傷の苦しみが、私たちの社会に存在する差別によって今日、再び呼び起こされている」として、「あらゆる人種差別と闘い続ける」との決意を表明した。

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