大企業製造業の景況感、11年ぶり低水準 日銀6月短観

経済
2020/7/1 8:54 (2020/7/1 10:45更新)
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日銀が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はマイナス34になった。リーマン危機後の2009年6月以来11年ぶりの低水準だ。3月の調査から26ポイントの落ち込みで、悪化幅は過去2番目の大きさ。新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に経済活動が停滞している影響がくっきり表れた。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた値。大企業製造業のDIはQUICKが事前に集計した民間予測の中心値(マイナス31)を下回った。マイナスは2四半期連続、悪化は6四半期連続になる。かねて米中貿易摩擦で業況が悪化していたところに新型コロナの世界的な流行が追い打ちをかけた。

非製造業はマイナス17で25ポイント悪化した。過去最大の悪化幅だ。中小企業の景況感も悪化した。製造業はマイナス45で30ポイント下がった。

大企業の景況感は小売りだけが改善し、他の業種は軒並み悪化した。DIが最も低かったのはコロナ禍が直撃する宿泊・飲食サービスでマイナス91だった。過去最低を更新した。入国制限や外出自粛で観光客が「蒸発した」(日銀)。レジャー施設などを含む対個人サービスは64ポイント下がり、マイナス70で過去最低だ。感染防止のために長期間の営業自粛を迫られた。

製造業で最もDIが悪かったのは基幹産業である自動車だ。55ポイントも落ち込み、マイナス72となった。09年6月(マイナス79)以来の低い水準だ。世界的な需要の急減で生産調整を余儀なくされている。鉄鋼や生産用機械の悪化も目立った。

小売りはプラス2で9ポイント上昇した。食品スーパーやホームセンターで「巣ごもり需要が好調だった」(日銀)という。

業況悪化で企業の資金繰りは悪化している。全産業の資金繰り判断DIは3で10ポイント低下した。コマーシャルペーパー(CP)の発行環境判断も22ポイント低下し、8となった。人手不足が続いてきた雇用は、製造業で一転して「過剰」となった。非正規雇用を中心に雇用が減る恐れがある。

先行きは改善を見込む。大企業(全産業)の業況判断DIはマイナス21で、5ポイント上昇する。ただ、新型コロナの感染者はブラジルやインドなど新興国で増加に歯止めがかからず、経済活動を再開した米国でも再び増えている。不透明感は強い。

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