FRBパウエル議長 景気回復「予想より早い」
【ニューヨーク=後藤達也】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は6月30日、「多くの企業が活動を再開し、雇用が回復し、支出も増えている」と述べた。経済対策で景気が下支えされ、「経済は重要な新しい局面に入っており、予想よりも早く達成できた」との考えを示した。

米下院の金融サービス委員会で証言した。足元の景気回復を指摘する一方で、2000万人以上の米国人が失業している点も強調。低所得者や女性、黒人などの失業は特に深刻で「打撃は均等に広がっていない」と述べた。新型コロナウイルスが再拡大すれば、「国民の経済活動が弱まり、景況感が悪化しかねない」との懸念も表明した。
金融政策については「経済を支えるためあらゆる手段を活用していくことを約束している」とこれまでの主張を繰り返した。一方、3月以降に実施してきた非常措置については「経済や金融環境が改善したときには、ツールボックス(道具箱)へと戻していく」という考えも併せて示した。