新型コロナ、東京都の新たな指標とは 都民に影響は?

2020/7/1 1:26 (2020/7/1 5:19更新)
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記者会見する小池都知事(30日、都庁)

記者会見する小池都知事(30日、都庁)

東京都は1日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための新たなモニタリングの運用を始める。7つの項目を用いて感染の広がりなどを監視する。感染の再拡大への予防措置が必要と判断した場合、外出自粛の協力などを都民に求める。従来の警戒情報「東京アラート」と何が違うのかを整理する。

――新たにモニタリングする項目は?

都は「感染状況」と「医療体制」に大きく分類している。感染状況では(1)新規陽性者数(2)東京消防庁救急相談センターへの発熱などの相談件数(3)感染経路不明者の数・増加比――の3項目を、医療体制では(4)救急搬送先が20分以上決まらないなど、搬送先の選定が困難だった件数(5)検査の陽性率(6)入院患者数(7)重症患者数――の4項目を見る。(1)~(5)は直近7日間の平均値で算出する仕組みだ。

――これらの項目をどう判断する?

これまで運用していた東京アラートは「感染経路不明者の割合が50%以上」などと目安があったが、今回具体的な数値は設けていない。週1回のペースで医師や感染症の専門家が、各項目を週単位で比較するなどして、全体的な傾向について分析。年齢別の感染状況なども参考にするという。

専門家の分析をもとに、都知事など幹部でつくる会議で都としての対応方針を決定する。感染の再拡大が見込まれると判断した場合は、不要不急の外出の自粛を呼びかけたり、地域や業種など対象を絞り込んだ注意喚起をしたりするという。

――具体的な数値を設けなかったのはなぜ?

小池百合子知事は「特定の数字だけをみてスイッチをオン・オフするということではなく、全体像をつかんでいかなければならない」と説明する。感染状況を表す数値が上下するたびに都の対処方針がころころと変わり、都民の生活や事業者の営業活動など東京の経済に影響が及ぶことを避けるのが狙いだ。

経済活動と感染拡大防止の両立を図るため、明確な数値基準を置かず、柔軟に運用できるようにしたと言える。

――東京アラートはどうなったの?

新たなモニタリングができたことで、なくなったと考えていい。都の担当者も「『東京アラート』という言葉をつかって呼びかけることは、今後ない」と話している。

――都民生活はどう変わるのか?

今回並べた7項目のうち5項目は東京アラートと同じものを活用している。外出自粛や注意喚起などは自主性に任せた「お願いベース」で、都民や事業者からみると、大きな違いはない。

東京アラートを6月2日に発動した際、レインボーブリッジを赤くライトアップするなど、強いインパクトで警戒を呼びかけた。緊急事態宣言が解除された約1週間後のことで「事業者からは再び休業を求めるのかと勘違いした人も多かった」(都幹部)。

潜伏期間を考慮すれば、現在の新規感染者はアラート発動中に感染した可能性があり、効果を疑問視する声もある。

今回は演出なしで注意を呼びかける方向だが、具体的な方法などは今後検討するといい、実効性が問われそうだ。

――休業の再要請はあるのか?

東京アラートを発動した際、都はさらに感染状況が悪化した場合、休業を再要請する制度設計にしていた。今回は休業の再要請について明確には方針を打ち出していないが、小池氏は「感染予防に取り組むのが一番だが、それでも感染が広がっていく時は一つの考えとして(再要請は)ある」と述べている。

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