信越の路線価、下落率が縮小 先行きには不透明感

2020/7/1 11:00
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観光客増で新型コロナ前はにぎわった(長野市の長野駅前通り)

観光客増で新型コロナ前はにぎわった(長野市の長野駅前通り)

関東信越国税局は1日、2020年の路線価(1月1日時点)を公表した。標準宅地の前年比変動率は、新潟県がマイナス0.5%で、前年より下落率が0.3ポイント縮小。長野県もマイナス0.1%で0.2ポイント縮小した。下げ止まり傾向が見られるが、先行きは新型コロナウイルスの感染拡大で不透明感が増している。

新潟県では、税務署別の最高路線価13地点のうち、前年を上回ったのは新潟市中央区東大通の「新潟駅前通り」のみ。燕市や長岡市などの5地点が横ばい、7地点が前年を下回った。

新潟駅前通りは前年比2.3%上昇した。新潟駅では2021年度の完成を目指し、鉄道高架化工事を実施している。周辺のオフィスビルも建て替えが進んでおり、発展への期待感が路線価の上昇に表れている。

新潟駅周辺整備事務所によると「現時点でコロナ禍による工事計画への影響はない」。経済活動もコロナの影響から徐々に脱しつつあるが、感染の第2波が来る懸念もあり、今後も勢いを保ち続けられるかは見通しづらくなっている。

最も下落率が大きかったのは、小千谷市本町の「国道291号線」で、4.5%下落した。関東信越国税局の管内6県のなかで最も下落率が大きかった。新潟県不動産鑑定士協会の飯田英範・地価調査委員長は「郊外型の店舗に顧客が流出し、中心部としての拠点性が落ちている」と分析する。

長野県では、税務署別の最高路線価10地点のうち、長野市大字南長野の「長野駅前通り」のみが前年を上回った。軽井沢町や松本市などの8地点が横ばいで、伊那市荒井の「県道南箕輪・沢渡線」は前年を2.5%下回った。

長野駅前通りは3.5%上昇した。上昇は28年ぶり。周囲にはホテルや飲食店が立ち並んでおり、県内を訪れる観光客が増えたことで、交通のハブとなる長野駅前のにぎわいが増していた。

ただ足元では新型コロナの影響で人通りが減っており、休業中の張り紙をしたままの飲食店も目立つ。駅周辺ではホテルやマンションの建設も進んでいるが、上昇が続くかどうかは不透明だ。

軽井沢町大字軽井沢の「旧軽井沢銀座通り」は、昨年は11年ぶりに上昇したが、今年は横ばいだった。インバウンド(訪日外国人)など多くの観光客でにぎわうが、すでに地価が高い水準にあり上昇が継続しなかった。コロナ禍で減少した観光客が戻るかどうか懸念されるが、「セカンドハウス向けに、別荘地の引き合いが昨年の同じ時期より強くなっている」(共信不動産鑑定の宮本吉豊代表)との声もある。

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