北陸3県の路線価、福井と富山は下落 石川は上昇

北陸
2020/7/1 11:00
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国税庁は1日、2020年の北陸3県の路線価(1月1日時点)を発表した。福井、富山両県の標準宅地の前年比平均変動率は下落した。石川県は金沢市で駅前や中心市街地の開発が続き、前年から上昇幅を広げた。新型コロナウイルスの感染拡大で北陸経済は打撃を受けており、路線価が足元の地価を上回る可能性もある。

福井県の標準宅地は1.1%下落し、秋田、和歌山両県と並び全国で最も下がった。ただ、同県の最高路線価である福井市の福井駅西口広場通りは6.7%上昇し、4年連続のプラスだった。JR武生駅(越前市)の駅前通りは25年ぶりに横ばいとなった。

福井県不動産鑑定士協会の宮岡広英会長は「県外からの人の流入が増えないと、標準宅地は上昇しにくい」と指摘する。一方、「北陸新幹線の延伸に向けた再開発計画の進んでいる地域ほど上昇率が高い。武生駅周辺では市庁舎の建て替えやホテル建設などがある」と説明する。

富山県の標準宅地は0.3%下落した。上昇の続いていた同県の最高路線価である富山駅(富山市)の駅前広場通りが横ばいとなり、北陸新幹線の金沢開業に伴って特急停車駅でなくなった魚津駅(魚津市)の駅前通りは下落傾向にある。

高岡署管内の最高路線価は、高岡駅(高岡市)そばの末広町周辺からイオンモール高岡に近い京田に変わった。末広町周辺では大和高岡店が19年8月に閉店した。富山県不動産鑑定士協会の宮川裕司会長は「19年秋に増床したイオンモールへ人の流れが移り、逆転現象が起きた」と話す。

石川県は1.6%上がった。上昇幅は前年よりも0.9ポイント高い。金沢市中心部ではホテルやマンションの開発が落ち着きつつあるものの、オフィス需要の高まりなどから商業地は上昇を続ける。金沢駅東広場通りは北陸3県で最も高く、前年から6.7%伸びた。

今後は新型コロナの感染拡大を受け、同県でも地価下落の懸念が出ている。石川県不動産鑑定士協会の担当者は「現時点で下がっていることはほぼ間違いない。ただ、どのくらい下落するか見当がつかない」と話す。

路線価は相続税や贈与税の算定基準となる。路線価が時価を上回った場合、路線価を採用せず、不動産鑑定士による鑑定評価額などに基づいて個別に評価している。広範囲で大幅な下落が確認されたときは「何らかの措置を検討する」(金沢国税局)という。

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