埼玉県内路線価、1.2%上昇 20年分

2020/7/1 11:00
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関東信越国税局が1日発表した埼玉県内の2020年分の路線価(1月1日時点)は19年に比べ平均1.2%上昇した。プラスは7年連続。再開発が進み、住宅地として人気もあるさいたま市や川口市の上昇が目立った。ただ、今回は新型コロナウイルスの感染拡大前の数値で、他の公的な地価や一般的な土地取引価格は今後、下落する可能性が高い。

埼玉県の最高路線価地点である大宮駅西口駅前(さいたま市大宮区)

埼玉県の最高路線価地点である大宮駅西口駅前(さいたま市大宮区)

県内の調査対象地点は15税務署管内の約1万6000地点。税務署別の最高路線価は上昇が8地点、横ばいが7地点、下落地点はゼロだった。同局管内の茨城県や新潟県など他県の平均変動率は下落したが、埼玉県のみプラスだった。上昇率は19年より0.2ポイント拡大した。

県内の最高価格は大宮駅西口駅前(さいたま市大宮区)の1平方メートル当たり426万円で、同局管内では29年連続で最高地点だった。上昇率も15.1%と最も高かった。

路線価の動向に詳しいみつば総合鑑定所の不動産鑑定士、三田和巳氏は「県内最大の大宮駅前商業地は常に再開発が続き、需要が供給を上回り続けている」と分析している。

県内で2番目に高い川口駅前産業道路(川口市)は同194万円。上昇率も14.1%で、大宮駅西口駅前、浦和駅西口駅前(さいたま市浦和区、上昇率14.3%)に次いで高い。川口市は荒川を挟んで東京都に隣接しており、利便性が高く評価された。

商業地としての価値に加え、大宮、川口、浦和の上位3地点で近年急速に高まっているのが住宅地としての評価だ。リクルート住まいカンパニーの「住みたい街ランキング関東版」で19年に大宮は4位、浦和は8位になった。両地域は20年の調査でもそれぞれ4位、10位と高い人気を維持した。

川口市は住宅ローンを手掛けるアルヒの「本当に住みやすい街大賞2020」で首位だった。川口駅前をはじめ、市内の駅周辺にはタワーマンションや複合住宅が立ち並ぶなど、住宅需要の高さが顕著だ。三田氏は「大宮、浦和、川口には東京の需要増の波紋が広がっている」と指摘。川越や所沢など県南部の都市も地価の上昇傾向が続いている。

タワーマンションが立ち並ぶ川口駅前(埼玉県川口市)

タワーマンションが立ち並ぶ川口駅前(埼玉県川口市)

しかし、コロナ禍による経済活動の停滞で、今後は地価の大幅下落が避けられない。上昇傾向だった県内路線価も状況が一変しそうだ。同国税局は「広範な地域で大幅な地価下落が確認された場合は納税者の便宜を図る方法を検討する」と説明する。同局がこうした措置を検討するのは過去に例がなく、コロナ禍の影響の大きさは地価にも表れる見通しだ。

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