新型コロナが変えた 私たちの「お金のルール」
新しいお金の生活様式(1)

Life is MONEY
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2020/7/6 2:00
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新型コロナウイルス感染拡大の影響で在宅勤務が広がった(都内の家電量販店の売り場=4月撮影)

新型コロナウイルス感染拡大の影響で在宅勤務が広がった(都内の家電量販店の売り場=4月撮影)

今月のお題は「新しいお金の生活様式」としてみたいと思います。新型コロナウイルスの問題は社会を大きく変え、また私たちのお金のルールをも変えようとしているからです。

~「コロナ前後」 お金のルールが結構変わった~

お金の問題がこの半年間で何も変わらなかった、という人はまずいないと思います。収入に変化がまったくなかったという人はあまりいないでしょうし、支出行動にまったく変化がなかったという人もいないと思います。

収入については下がったという人が圧倒的だと思います。お店が閉まったため働けなくなったり、売り上げが大きく下がったり、残業代がもらえなくなって数万円下がったりとパターンはいろいろでしょうが、いずれもシリアスな問題です。

支出についても、今までと構成比が変わったはずです。収入が減少したならそれに合わせた見直しが必須でしたし、テレワークや「ステイホーム」の影響で外食費や交際費が激減した人もいるでしょう(その代わり、巣ごもり消費が急増したりもします)。

あなたの「Life」と「Money」の関係を考えていく本連載もまた、こうした問題を無視するわけにはいきません。

~テクノロジーが時代の変化要請に間に合った~

私がこの時期の変化が興味深いと思っているのは、「時代の変化をテクノロジーの進化が受け止めることができた」ということです。

例えばECサイトの利用を「新しい生活様式」では推奨していますが、これは今だからこそできることです。もし10年前だったらスマホの普及も進んでいなかったため、サイトは使いにくいものだったでしょう。特に高齢者が使いこなせるものではなかったと思います。

他者との接触を減らすためにキャッシュレス決済へ切り替えようと思ったとき、そもそも利用店舗が少なかったら移行はできません。昨年10月から6月末まで行われた「キャッシュレス決済消費者還元事業」は、多くの店頭に決済端末を普及させ、また多くの国民の関心を集めました。

いずれも偶然の符合でしょうが、このタイミングで社会がもがきながらも変化しようとしていることに、システムやインフラが「間に合った」ということには興味深いものがあります。

~変化を受け入れやすい時期、変化せざるを得ない時期~

今回、いきなり会社がテレワークを導入したという人もいるでしょう。当初の予定通り今年、東京五輪を迎えていた場合の混雑回避のため、政府はテレワークの推進を企業に要請していましたが、鈍い動きにとどまっていました。

ところが密を避け、また職場感染を避けるために「テレワークはリスクが大きい」などといっていた経営者が朝令暮改とばかりに「テレワークを当社でも推進します」となりました。

ECサイトの利用について「セキュリティーが心配……」といっていた高齢者が、子どものアドバイスを受けながら楽天市場やアマゾンなどでオンライン注文をしてみた、なんていう話もこの数カ月の緊急事態があったからこそ起きた変化でしょう。実際、利用率の向上がみられているそうです。

日常が平穏に続いているとき、私たちは変化を受け入れることが困難です。平常を継続するほうが負担が少ないからです。

ですから、今回の「新しいお金の生活様式」については、前向きに捉えてほしいと思います。むしろ変化を積極的に考えるチャンスでもあるのです。

今回、収入がガクンと下がったので人生で初めて本気で節約をしたという人もいるでしょうが、今までサボっていた節約と真剣に向き合うことができれば、その経験はこれから一生の財産となるはずです。

~「新しいお金の生活様式」が始まる~

今回のテーマを、あえて「新しいお金の生活様式」としてみたのはもちろん「新しい生活様式」になぞらえてのことです。

政府は「新しい生活様式」を取り入れるよう訴え、新型コロナウイルスの第2波への対策を求めています。海外では「New Normal(ニューノーマル)」と呼んでいるようです。

アパレルショップが試着品をいったん取りおいて翌日以降に展示にする(感染リスクを減らすため)取り組みがあったり、職場のレイアウトを変更してソーシャルディスタンスを見直したりしています。

その次は、私たちのお金の問題についても「新しいお金の生活様式」を整理していく段階です。

消費行動の変化に伴う家計の見直し、投資行動の変化、働き方の見直しなど、10年後にも役立つお金の新しい常識について、来週以降考えてみたいと思います。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)

フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「大人になったら知っておきたいマネーハック大全」(フォレスト出版)など。http://financialwisdom.jp
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