英蘭シェルも巨額減損、資源安で最大2.3兆円 4~6月

環境エネ・素材
ヨーロッパ
2020/6/30 17:22
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英蘭シェルも新型コロナで資源価格の中長期見通しを引き下げた=ロイター

英蘭シェルも新型コロナで資源価格の中長期見通しを引き下げた=ロイター

【ロンドン=篠崎健太】欧州石油最大手の英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは30日、2020年4~6月期に最大220億ドル(約2兆3800億円)の減損損失を計上すると発表した。原油や天然ガスなど資源価格の低迷を想定し、事業資産の評価額を落とす。15日に最大1.9兆円の減損見通しを示した英BPを上回る巨額の損失計上となる。

資源の探査・掘削を担う上流から、精製や販売の下流まで、資産価値を全般に引き下げる。部門別の減損の内訳は統合ガスで80億~90億ドル、上流で40億~60億ドル、石油製品で30億~70億ドルとなる見込み。税引き前損益には最大270億ドルの悪影響が出る見通しだ。

減損は新型コロナウイルスの影響を踏まえて「中長期の価格や精製マージン(利幅)の見通しを引き下げた」(シェル)ため。原油価格の前提は、国際指標の北海ブレントで20年はこれまでの1バレル60ドルから35ドルに下方修正した。21年は40ドル、22年は50ドルと、それぞれ従来の60ドルから引き下げる。23年以降の長期は従来と同じ60ドルとした。

減損は保有する資産について、投資を回収できるだけの収益力が見込めなくなったと判断した場合に帳簿上の評価額を落とす会計処理だ。シェルは今回、資源価格の低迷の反映だけでなく、精製分野で脱炭素化を踏まえた評価減も計上する。

コロナ禍を背景に世界で外出制限が広がり、ガソリンなどの燃料需要が激減。欧米石油メジャーは販売価格と数量の両面で収益悪化に見舞われている。シェルは石油製品の販売数量が4~6月期は日量400万バレル前後と、前年同期比で4割減になるとの見方を示した。

BPは29日に、石油化学事業を欧州石化大手イネオスに総額50億ドルで売却すると表明した。シェルは3月、米国で検討していた液化天然ガス(LNG)計画からの撤退を決めた。ベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は相場に左右されにくい再生可能エネルギーなどへの投資を増やす方針を示しており、事業構造を見直す動きが続く可能性がある。

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