三菱商事、仮想発電所本格参入 NTTとの連携テコ

2020/6/30 16:34
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三菱商事は点在する電力設備を一括運用する仮想発電所(VPP)事業に本格参入する。NTTと組み、年度内にも実証実験を始める。再生可能エネルギー由来の電力を調達し、通信局や小売店舗などに設置した蓄電池、電気自動車(EV)に電力をため、効率的に電気を融通し合う仕組みを作る。ESG(環境・社会・企業統治)投資の広がりでVPPは成長が見込めるとして力を入れる。

三菱商事とNTTが構築する独自電力網にローソンを組み込むことも見据えて協議する

30日、NTTと再生可能エネルギー活用、VPPで連携すると発表した。NTTの通信局舎、三菱商事子会社で国内約1万4千店の店舗網を持つローソンの参加を見据え、協議を進める。グループ外の顧客も共同で開拓する。

通信局舎などに蓄電池を設置。充電などの稼働状況を管理するシステムを搭載し、再生エネ由来の電力を優先的に利用する独自の小規模電力網(マイクログリッド)を構築する。安価に発電できる時間帯にためた電力を融通しあうことで、再生エネを低コストで非常時にも安定的に利用しやすくなる。送電は大手電力会社が保有する電線に相乗りする。

余剰電力を取りまとめて電力会社に販売することは想定せず、再生エネの安定利用というメリットをアピールして顧客を取り込む。経年劣化で容量が減ったものの、まだ使える車載電池を商業施設など向けの大型蓄電池に仕立て直して再利用する仕組みもつくり、収益源の1つにする。

VPP関連事業は、伊藤忠商事が東京電力のグループ会社と組んで電力の家庭間融通の事業化に乗り出すなど他社が先行する。三菱商事はNTTと組んで既存事業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めており、その一環として電力分野ではVPPに参入する。

三菱商事は英国で450万世帯に電力やガスを提供している同国2位の電力・ガス会社であるOVOグループと提携している。それぞれの顧客の電力使用量や使用する時期などに応じたきめ細かい料金プランなどを提供するOVOのノウハウを事業に取り入れる。

また、独ボッシュとはEVの蓄電池の状態を常時監視するシステムを共同で手掛けている。蓄電池の寿命予測や故障診断が可能だ。こうした提携先企業の技術を電力網事業に取り込むことで、競合他社と差異化した次世代電力サービスの構築をめざす。

三菱商事とローソンは共同出資会社のMCリテールエナジー(東京・千代田)を通じ、店舗の電気機器を遠隔制御して消費電力を抑えるVPP事業を2018年から実験的に実施している。NTTとの実験をテコにVPPの本格的な事業化を狙う。

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