割安成長株投資で成功 30歳で資産1億超えの公務員
億超え兼業投資家の必勝戦略(1)

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2020/7/4 2:00
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写真はイメージ=PIXTA

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日経マネーが実施した「2020年個人投資家調査」(4月15日~5月6日にインターネット上で実施)の回答者約3万5000人のうち、資産1億円超えを達成した「億超え投資家」は673人。会社員などとして働きながら、株式投資で資産を築いた人も多い。「億超え兼業投資家の必勝戦略」では、そんなスゴ腕たちの投資手法を3回にわたり紹介する。1回目は、中央官庁で公務員として働く八瀬さん(仮名)だ。

■株式投資を始めたきっかけは社会の授業

30歳にして株式投資歴は14年に及ぶ八瀬さん。2019年に運用資産が1億円を突破した。

「中学3年生の時に、社会科の授業で実際の売買を伴わないバーチャル取引を体験した。この取引で架空の運用資金300万円を数カ月で8000万円に増やした猛者もいると聞いて関心を持ち、高校1年で始めた」と明かす。

だが初めの5年間は、思うように利益を上げられなかった。「最初はどんな銘柄が値上がりするのか見当がつかなかった。株価が横ばいでも配当分はもうかると安易に考えて、配当利回りの高い銘柄を売買した」と振り返る。

■手痛い失敗で投資手法を見直す

売買した高配当銘柄の一つが東京電力ホールディングス(9501)。直近の高値から大きく値下がりしていたのを見て、「いずれは反発して戻るだろう。その間の配当も含めれば、まずまずの利益を出せる」と踏んで買った。だが同社の株価は、意に反して続落。原発事故が起きる2年前の2009年に損切りした。「損失の額は配当の数年分に達した」

八瀬さんは、この手痛い失敗を機に投資を見直す。新たな投資法を模索する中で出合ったのが、「やさしい株のはじめ方」というタイトルのサイトだった。このサイトは、割安成長株投資で億円単位の資産を築いたスゴ腕投資家として本誌でもおなじみの竹内弘樹さんが運営。初心者向けに株式投資の情報を提供している。八瀬さんはこのサイトで解説されていた竹内さんの投資法を手本に、割安成長株への集中投資を始めた。

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■成長性の高い中小型株に投資

購入の対象は、機関投資家が売買しない時価総額300億円以下の中小型株。選定作業でまずチェックするのは、売り上げの伸びだ。毎年15%前後の増収を目安に置く。ただし、増収率が20%以上ある場合は、増収が続かない可能性が高いので避ける。次に重視するのは収益性だ。売上高経常利益率が横ばいか増加中の銘柄を選好する。

さらに、個人投資家のゆうゆーさん(ハンドルネーム)のブログ「ゆうゆー投資法」(休止中)で紹介されていた企業の成長モデルを参照。(1)エリア拡大型(2)新商品導入型(3)認知度向上型(4)M&A型(5)値上げ型──の5つのモデルのどれかに該当することを確認する。

そして、PER(株価収益率)で株価の水準を判定する。「PERが同業他社の数値と比べて高過ぎる銘柄は買わない」

運用資産の7割前後は3銘柄に集中させている。「1銘柄の値上がりが資産全体を大きく押し上げるようにするためだ」と説明する。

■3億円目標に投資を続行

この割安成長株投資が奏功。アベノミクス相場の追い風もあって、13年以降は運用資産を右上がりに拡大させてきた。外国人観光客の急増を目の当たりにして購入したHANATOUR JAPAN(6561)では2倍高をゲット。これが大きく貢献し、1億円突破を果たした。「元手や給与からの入金は計2500万円。出金した分も含めると、1億円を超える利益を上げた計算だ」

コロナショックで株式市場が暴落した折には、早い段階で主力の3銘柄以外の保有株を売却して資金を捻出し、新たな銘柄を購入した。保有株が軒並み急落して、運用資産の評価額は最大で35%減少した。だが、その後に回復し、7月2日時点ではショック前から18%のプラスになっているという。

現在の最主力銘柄は、食品や日用品のメーカーなどを対象に商品情報のデータベースシステムを販売しているeBASE(3835)。同社のシステムが食品や日用品の業界でプラットフォームになり、業容を拡大させていくと期待して保有している。

八瀬さんは、運用資産3億円を次の目標に据える。コロナショックの衝撃にひるまず、目標の達成に向かって割安成長株への集中投資を続ける方針だ。

(中野目純一)

[日経マネー2020年8月号の記事を再構成]

日経マネー 2020年8月号 勝ち組投資家に学ぶ ここからの稼ぎ方&勝負株

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/6/19)
価格 : 780円(税込み)

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