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四大大会シード獲得目指す テニス・西岡良仁(下)

Tokyoオリパラ
2020/7/4 3:00
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西岡良仁(ミキハウス)が飽きるほどされる質問が、世界トップ100ではシュワルツマン(アルゼンチン)と並んで最も低い、170センチの身長のことだろう。

リーチは短くなるし、サーブでは圧倒的に不利だが、さほど気にしないのは「子供の頃から小さく、サービスエースは取れないもの」という覚悟と、左利きという武器があるからだ。「球の軌道が違うから、かなりのメリットがある。しかも左利きで背が低い人は少ない。弾道が低く、切れていくセカンドサーブはハードヒットされない」

今年2月、初めてトップ50入りを果たした

今年2月、初めてトップ50入りを果たした

IMGアカデミー(米フロリダ州)への留学後、左利きを生かすことを徹底的に指導された。アカデミー創設者のボロテリーには「マルセロ・リオス(チリ、元世界1位で身長175センチの左利き)を見ろ」と言われ、コーチには錦織圭(日清食品)の練習をよく見学させられた。

「圭くんは1ポイントの中で高い軌道、低い軌道、スライスなど、いろんな球種を打つ。そのゲームメークを自分の感性で捉えろって」。そして、16歳の時から原則として国際テニス連盟(ITF)のプロ大会だけを転戦させられた。「ジュニアなので負けても悔しかったで済む。それでいて生活がかかったプロのシビアさを体験できた。"アジアのチビ"はなめられるし、ズルもされるんです」

泣かされて負かされ、少しずつ勝てるようになった。世界500位相手には「これくらいのテニスで勝てる」という手応えをつかみ、ほぼ勝てるようになった頃、ATPチャレンジャー(CH)に主戦場を移した。CHは世界300位~100位を切る選手が出てくる。上位の攻めの速さ、球質に慣れた頃、20歳で世界100位に入った。

ITFに約3年、CHからATPツアーを主戦場にするまでに約3年かかり、24歳の今、ほぼツアーだけを回る。若くしてツアー優勝を果たし、そのまま上位に定着する錦織のような選手は「別格。僕は時間はかかったけど、順序よく、少しずつレベルアップできたので、ベースをしっかりつくれた」。だから2017年3月、左膝の靱帯を傷め、9カ月近く戦線離脱しても慌てなかった。

「ナダル(スペイン)やバブリンカ(スイス)と対戦済みで、トップのレベル、自分のレベルも把握していたから。これってすごく重要」。18年9月、ツアー初優勝でトップ100に返り咲き、今年2月、初めてトップ50入りした。

目下の目標は四大大会でシードがつく世界30位。現在、「唯一勝てる気がしないのはジョコビッチ(セルビア)」で、あとは勝つイメージがわく。「でも上位に1度勝ってもランキングは上がらない。実力の土台を上げ、安定して勝たないと」。ツアー再開まで雌伏の時は続く。=敬称略

(原真子)

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