JR九州社長「ホテル開発・M&A見直す」コロナで中計修正

株主総会
2020/6/30 12:06
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JR九州が6月に開いた株主総会で、大株主の米投資ファンド、ファーツリー・パートナーズが提案した取締役選任などが、すべて否決された。青柳俊彦社長は日本経済新聞社のインタビューに応じ、アクティビスト(物言う株主)と今後も対話を続ける姿勢を強調。新型コロナウイルスの影響を踏まえ、中期経営計画を修正する考えを示した。

青柳社長は中期経営計画をアフターコロナに即した内容に見直す(写真は23日の株主総会後の会見)

青柳社長は中期経営計画をアフターコロナに即した内容に見直す(写真は23日の株主総会後の会見)

――ファーツリーの株主提案が否決されました。

「新型コロナの感染拡大で経営環境が厳しいことを伝えていたにもかかわらず、株主提案をして来た姿勢に違和感を感じた。『アフターコロナ』を考えた内容だとは感じなかった。当社はこれまで社外取締役を増やしたり、昨秋に自社株買いを実施したり、ガバナンスを強化してきた。そうした取り組みを株主から評価されたのだと思う」

――ファーツリーとは昨年からどのように対話をしてきましたか。

「ファーツリーに限らず海外投資家とは積極的に対話を続けている。昨秋には米ニューヨークを訪れてファーツリーとも面談した。その直後に自社株買いを実施したが、ファーツリーが主張したからという訳ではなく、他の投資家の意見も総合的に勘案して決断した。今後も対話の機会を増やし、日本の鉄道事業が置かれている状況や、鉄道と不動産の連携事業の意義を理解してもらいたい」

――オリンパスのようにファンドから取締役を受け入れる可能性は。

「今のところ、そうした考えはない。ただファンドとの協業などで、どのような取り組み方があるのかについては勉強していきたい。実際にファンドから協業を持ちかけられるケースもある」

――JR東日本JR西日本など、JR各社で株式の持ち合い比率を昨年より高めました。

「我々は鉄道会社として生き残っていかないといけない。そのために次世代交通サービス『MaaS(マース)』の開発に取り組んでおり、九州では西日本鉄道第一交通産業などと協力してきた。他のJR各社ともMaaSや新幹線で関係強化が必要だと判断した。コーポレートガバナンス上、必要な株と、そうでない株を見直している。JR各社とは信頼関係を醸成する上で有効だと考えている」

――中期経営計画では開発投資も予定しています。新型コロナの影響で見直す考えは。

「見直す予定だ。新型コロナの影響を踏まえて、どう成長していくか、投資家に示していかなければならない。昨年策定した中期経営計画(20年3月期~22年3月期)を何が何でも達成しなければいけないとは考えていない。新型コロナの影響は短くて1~2年、長くて3~5年は続くと見ている。アフターコロナに即した計画に改めたい」

「JR熊本駅や宮崎駅で開発中の駅ビルや九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)に対する投資は続ける。ただホテルなど不動産開発や進めていたM&A(合併・買収)案件、鉄道の維持更新などは一旦中止し、先送りした。手元流動性資金を確保するため、社債の発行や借り入れを増やしている。海外事業は国内事業以上に不透明だ。まず2021年3月期の業績予想を発表することが優先だと考えている」

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