米銀ウェルズ減配、FRBが制限 自社株買いは全行停止

金融最前線
北米
2020/6/30 7:39
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【ニューヨーク=宮本岳則】米大手銀6行は29日、米連邦準備理事会(FRB)による健全性審査(ストレステスト)の結果を踏まえた新しい株主還元計画を公表した。米銀大手ウェルズ・ファーゴが2020年7~9月期に支払う配当を前四半期に比べて減らすほか、全行が自社株買い停止を続ける。資本の流出を抑え、景気後退への「耐性」を強める。

ウェルズ・ファーゴは7~9月期の減配計画を公表した=ロイター

FRBのストレステストは金融危機の反省を踏まえ、深刻な景気悪化や市場の混乱を想定した過酷なシナリオのもとでも銀行が十分な資本を確保できるかどうかを点検する。FRBは25日に審査結果を公表し、新型コロナウイルスの影響を加味しないシナリオ下で、米銀は十分な自己資本を有していると説明した。同時に今後の景気回復の道筋は不透明で、自社株買いや増配停止による自己資本の維持を求めた。

29日に株主還元計画を公表した主要6行のうち、ウェルズ・ファーゴは唯一、減配の見通しを明らかにした。FRBは米銀に対し、危機時の損失吸収のため、一定の資本積み増しを求めており、この基準を満たすためには減配で資本の流出を抑える必要があると判断した。JPモルガン・チェースなど他の5行は増配を見送り、現行水準の維持を発表した。自社株買の停止は全行が9月まで継続する。

FRBは25日、年内に再びストレステストを実施すると表明した。今後の経済・市場環境を踏まえて、米銀の財務耐性をより深く分析する。米銀はその結果を基に再度、株主還元計画をFRBに提出しなければならない。生産や雇用の回復が緩やかな「U字型シナリオ」や、感染第2波で再び景気が落ち込む「W字型」が現実味を帯びてくれば、株主還元規制が長引く可能性もある。

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