iPSで頭けい部がん治療、治験 8月にも投与

2020/6/29 22:24
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千葉大学病院と理化学研究所は29日、iPS細胞から作った免疫細胞をがん患者に投与する医師主導臨床試験(治験)を始めると発表した。鼻や口、耳などにできる「頭けい部がん」が対象で、安全性や効果を確認する。iPS細胞を使うがん治療の臨床応用では米国が先行するが国内では初。成功すれば企業が開発を引き継ぎ、2020年代の実用化を目指す。

研究チームはがんを攻撃する免疫細胞の「NKT細胞」に注目した。血液中にわずかしかなく増やすのが難しい。研究チームはこの細胞をiPS細胞から大量培養する技術を開発し、動物実験で頭けい部がんの治療で効果があることを確かめてきた。

治験は、標準的な治療ができない頭けい部がんの患者4~18人が対象で約2年間実施する。最初の患者への投与は8月末の見込みだ。医薬品医療機器総合機構の了承を26日に得たという。

あらかじめ健康な人のNKT細胞から作ったiPS細胞をもとに大量のNKT細胞を作り、患者のがんに通じる血管に投与する。まず2、3人に2週間おきにNKT細胞を約5000万個投与し、2~3カ月かけて副作用や効果を評価する。問題がなければ投与量を増やして、がんが縮小する効果を確かめる。

iPS細胞を使えば品質のそろったNKT細胞を大量に作製でき、多くの患者を治療できるとみている。頭けい部がんで成功すれば、肺がんなど患者数が多い別のがんへの応用も検討する。

iPS細胞を使う医師主導治験では、京都大学が18年にパーキンソン病患者を対象に細胞の移植を実施した。大阪大学は心臓の再生医療を実施している。

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