信越信金決算、実質業純が8割で増益 20年3月期

信越
長野
2020/6/29 20:19
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新潟県と長野県内にある信用金庫の2020年3月期の単独決算が29日までにまとまった。全15信金のうち、本業のもうけを示す実質業務純益は8割が前の期比で増益だった。日銀のマイナス金利で貸出金利回りは低下傾向だが、貸出金や有価証券利息配当金の増加で補った。一方、最終損益は9割が減益。コロナ禍の相場変動による株式の売却損などが響いた。

実質業純は12信金が増益(黒字転換を含む)を確保。上田信用金庫(長野県上田市)は実質業純が12%伸びた。3月末の貸出金残高の伸び率は19年3月末比で7%と全信金で最大。融資業務に強い地域事業部法人推進課を中心に顧客の資金ニーズの開拓などが奏功し、貸出金利息が増えた。長野信用金庫(長野市)の実質業純は2.3倍の25億円。外債や投資信託を中心に有価証券の利息配当金が増えた。

一方、最終損益は13信金で減益(赤字転落を含む)となった。新発田信用金庫(新潟県新発田市)は最終損益が1億4200万円の赤字(前の期は1億4200万円の黒字)に転落。コロナ禍の3月は株式相場が乱高下し、保有する上場株の時価下落による株式等売却損などが響いた。諏訪信用金庫(長野県岡谷市)も同売却損が増え、税引き利益は24%減にとどまった。

与信費用の増加が利益を圧迫するケースも目立つ。新潟信用金庫(新潟市)の税引き利益は7900万円と、77%減った。新型コロナウイルスの感染拡大による県内景気の悪化を鑑み、貸倒引当金を積み増した。長岡信用金庫(新潟県長岡市)も大口の取引先の業績悪化で、与信費用が増加。税引き利益は42%減少した。

もっとも、信越経済では4月以降に政府の緊急事態宣言に伴う飲食業の休業要請などで、新型コロナの影響が一層と顕在化し始めた。信金決算への影響も、前期より今期の方が色濃く出る可能性が高く、業績の先行きには不透明感が強い。三条信用金庫(新潟県三条市)の星野光一常務理事は「新型コロナで今期は信用コストの増加が想定される」と警戒する。

ただ、新型コロナで企業の資金需要も根強い。5月からは信金など民間の金融機関でも政府の実質無利子・無担保融資の取り扱いが始まった。加茂信用金庫(新潟県加茂市)は今期の最終損益が前期に比べて改善すると予想する。同金庫は「新型コロナ関連の融資の増加により、貸出金利息収入の増加が見込まれる」としている。

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