若者の睡眠増え8時間に 10年で1割、生活様式変化
20代から30代前半の若い世代の睡眠時間がこの10年間に1割程度増え、約8時間になったことが29日、ビデオリサーチと電通の調査で分かった。
就寝時間が早まったためで、仕事や夜遊びより自宅で過ごす生活様式の変化などに加え、横になってスマートフォンを見ながら眠ってしまう「寝落ち」が影響している可能性を両社は指摘する。
ビデオリサーチは毎年6月、首都圏の約5千人(2013年まで約2千人)を対象に、メディアへの接触状況などを調べ、電通が分析している。
それによると、20~34歳の男性の睡眠時間は09年に平均7時間11分だったが、19年は7時間55分と10.2%増加。同年代の女性も、09年の7時間19分から19年の7時間59分へ9.1%増えた。
就寝時刻を見ると、夜11時に既に寝ている人の割合は、20~34歳男性で09年の18.6%が19年に34.7%へ、同女性で09年の30.0%が19年に44.9%へと増加した。
この年代の男性の3人に1人、女性の半分近くが今や11時には就寝している計算だ。起床時刻に大きな変化はなかった。
他の年代の睡眠時間は、35~49歳女性が10年間に6.8%増えた以外、ほぼ横ばいだった。08年以前は各年代とも顕著な変動はなかった。
ビデオリサーチが18年に実施した別の調査によれば、15~29歳のうち、就寝直前にベッドや布団の中でスマホを使っている人が3分の2に上り、そのまま眠ってしまった経験のある人も多い。
座ってテレビやパソコンを見るのと違い、横たわってスマホを使うと眠りに落ちやすいことから、若い世代を中心にスマホの利用が増えたことが、意外にも睡眠時間の増加につながったと両社はみている。
〔共同〕
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