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業績ニュース

Jフロント、一転最終赤字に 21年2月期
年間配当9円減

2020/6/29 20:30
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J・フロントリテイリングは29日、2021年2月期通期の連結最終損益(国際会計基準)が260億円の赤字となる見込みだと発表した。従来計画は50億円の黒字(前期比76%減)。大丸と松坂屋の経営統合で07年に発足後、テナント主体の効率運営を図ってきたが、初の赤字に陥る。コロナ禍で今期は訪日外国人(インバウンド)需要を業績予想には織り込まない。未定としていた1株あたりの配当は年27円と9円減らす。

大丸心斎橋店はインバウンドに注力していた(大阪市)

「昨年の8割ほどにすぎない売り上げを(百貨店)業界内で分け合う苦しい構図になる」。日本経済新聞の取材に応じたJフロント幹部は、これから起こるであろう厳しい消耗戦を予想した。

Jフロントを皮切りに7月中旬までに高島屋近鉄百貨店松屋などが3~5月期の決算発表を予定。市場では「Jフロントも良くない数字だったが、百貨店で赤字決算が相次いでも不思議ではない」(外資系証券)との声が聞かれた。午後3時の決算発表を控え、この日のJフロント株は前週末比6%安で引けた。

緊急事態宣言解除を受けて、6月中旬までにほぼ全店舗で営業を再開しているが、客足の戻りは鈍く、先行き不透明感から節約志向が強まるのも避けられない。売上高にあたる売上収益は6~8月で前年同期の7割程度の水準、下期(20年9月~21年2月)でも8割程度にとどまる想定だ。

今期の売上収益の見通しは前期比31%減の3320億円と、4月公表の従来計画を790億円下回る。役員報酬の基本報酬部分を7~9月にかけて10%減額する。

Jフロントは百貨店業界のなかでも、GINZA SIX(ギンザシックス、東京・中央)など訪日客の開拓に注力してきただけに、今期はそれが逆風になる。19年9月にリニューアルした大丸心斎橋店(大阪市)では売り上げの4割を占めていた訪日客需要が"蒸発"する。化粧品や時計など利幅の大きい高額品の購入がなくなり利益面での打撃は大きい。

減収の長期化に備えて資金確保も急ぐ。Jフロントの1カ月あたりの運転資金は200億~300億円程度とみられる。5月末の株主総会で、金融機関とのコミットメントライン(融資枠)や借り入れなどで「8月末には1年半分の運転資金を確保する手立てを講じている」(若林勇人取締役)と説明。単純計算で4000億円規模になる。

Jフロントは店舗運営の主体を自前主義からテナント型に切り替えてきており、人件費などの固定費は他社より抑えられている。半面、テナントの撤退による賃料の減少リスクがある。

同日発表した3~5月期の連結決算は、最終損益は203億円の赤字(前年同期は74億円の黒字)、売上収益は前年同期比44%減の634億円だった。百貨店事業では、新型コロナウイルスによる休業で4~5月の店舗の売り上げが8割近く減り、3~5月の累計でも65%減となった。貸しビル事業の「パルコ」でも同様に苦戦した。

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