米国人にビザ制限 中国、香港国家安全法30日成立へ

習政権
2020/6/29 18:05 (2020/6/29 18:51更新)
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【北京=羽田野主】中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会の委員長会議は29日、中国政府が香港で統制を強める「香港国家安全維持法案」の最終案を固めた。中国国営の新華社が伝えた。会議最終日の30日に可決する可能性が高まった。反発する米国によるビザ(査証)発給制限に対抗し、中国外務省は米国人へのビザ発給制限を発表した。

「香港国家安全維持法案」を推進する習近平指導部(共同)

全人代常務委は28~30日の日程で開いており、前回(6月18~20日)に続き同法案を巡る審議をしている。全人代常務委は通常2カ月に1度のペースで開いており、立て続けに開くのは異例だ。

中国の「立法法」によると、新法を制定する場合、通常3回の審議が必要。おおむね意見が一致している法案は2回の審議で採決し成立させることができる。香港紙も30日成立、7月施行の可能性が高いと伝えた。

7月1日は香港返還記念日で、毎年民主化を求めるデモが起きている。同月18日には9月の香港立法会選挙に向けて立候補の届け出が始まる。習近平(シー・ジンピン)指導部が成立を急ぐのは、香港の抗議活動や民主派の選挙運動を抑え込む狙いがあるとみられる。

法案の成立を前にトランプ米政権は反発を強めている。26日には香港問題に関わる一部の中国共産党員へのビザ発給の規制を発動すると発表した。

高度な自治や人権、基本的自由の侵害に関わったとみなした複数の中国共産党の新旧当局者が対象となり、家族にも制限が及ぶ可能性がある。

中国外務省の趙立堅副報道局長は29日の記者会見で「いかなる外国も干渉する権利はない」と反発。「香港への干渉問題に関わった米国の関係者にビザ制限を実施する」と話した。対象者は明かしていない。

米議会では制裁対象を大幅に広げる検討も進んでいる。上院が全会一致で可決した「香港自治法案」は香港の自治の侵害に実質的に関わった外国人や海外の組織に加え、その人物らと取引関係のある海外の金融機関にも制裁を科す。対象となった金融機関は米国の金融機関からの融資が禁じられる。第三国の組織も対象になる「セカンダリー・サンクション」(二次的制裁)だ。

中国共産党の機関紙、人民日報海外版は29日付1面の評論記事で米国の香港自治法案を「1枚の紙くずだ」と非難した。中国共産党関係者らに制裁を加える内容だけに法案の中身はほとんど伝えていない。「香港国家安全維持法を立法する決意は揺るがない」と強調した。

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