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現場にいる必要は…コロナでゴルフ取材も様変わり
ゴルフジャーナリスト ジム・マッケイブ

2020/7/1 3:00
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大リーグ、プロバスケットボールNBAの開幕や再開も決まり、新型コロナ禍でも徐々に米プロスポーツが開催に向けて動き出している。男子ゴルフの米ツアーは再開してすでに3大会が終了した。

ただ、早くも波乱含み。

棄権や出場取りやめ相次ぐ

テキサス州のコロニアルCCで行われた最初の大会、チャールズシュワブ・チャレンジこそ、新型コロナウイルスの検査で陽性となった選手、関係者は一人もおらず順調な滑り出しとなったが、2戦目のRBCヘリテージ(サウスカロライナ州、ハーバータウン・リンクス)では、ニック・ワトニー(米国)が初日を終えて体調を崩すと、検査の結果、陽性であることが分かり、2日目から棄権した。

RBCヘリテージの第1ラウンドでプレーするワトニー。新型コロナウイルス感染検査で陽性反応を示し、2日目から棄権した=AP

RBCヘリテージの第1ラウンドでプレーするワトニー。新型コロナウイルス感染検査で陽性反応を示し、2日目から棄権した=AP

初日に同組で回ったことから、やはり検査を受けたボーン・テーラーとルーク・リスト(ともに米国)の結果は陰性だったが、RBCヘリテージの会場でワトニーの隣に車を止め、会話をしたというブルックス・ケプカ(米国)は、彼のキャディーの感染が第3戦のトラベラーズ選手権(コネティカット州、TPCリバーハイランズ)前に発覚し、同大会への出場を取りやめている。

また、その大会の2日前にケプカと一緒に練習ラウンドをしたグレーム・マクダウエル(英国)のキャディーも陽性だったことから、自身は陰性だったものの、彼も欠場を決断。さらにRBCヘリテージを制したウェブ・シンプソン(米国)は家族に感染者がいることがわかり、やはりトラベラーズ選手権の出場を見合わせている。

その後再び、選手にも感染者が出た。キャメロン・チャンプ(米国)は、第3戦前の検査で陽性反応を示し、トラベラーズ選手権の初日に67をマークし、好スタートを切ったデニー・マッカーシー(米国)もラウンド後に異変を感じ、2日目の朝に検査を受けると、陽性だった。

初日にマッカーシーと一緒にラウンドしたバド・コーリー(米国)とマット・ウォレス(英国)も検査を受けると、ともに陰性だったが、ウォレスはそのまま出場を続け、コーリーは棄権を決めている。

トラベラーズ選手権の第1ラウンドで一緒に回るマッカーシー(左)、ウォレス(左から2人目)、コーリー(右)=AP

トラベラーズ選手権の第1ラウンドで一緒に回るマッカーシー(左)、ウォレス(左から2人目)、コーリー(右)=AP

こうした状況は想定内ではあったものの、実際に欠場、棄権が続くと、改めてこのウイルスの恐ろしさを思い知らされる。

トラベラーズ選手権の前に取材に応じたジェイ・モナハン米ツアーコミッショナーも、「我々はまだ、このウイルスとの共生を学んでいる段階」と話し、言葉の端々にもどかしさをにじませた。

もちろん、米ツアーとしては考えられる限りの対策を取っているが、今後も、状況に応じて規定を見直していく見込み。3戦目までは検査を受けた選手らが検査結果を待つ間、コース内にとどまって練習することが可能だったが、次戦から検査結果で陰性だった選手しか、コースに入れなくなる。

会見はビデオ会議システムで

関係者のアクセスもより制限される方向だ。特に我々メディアは、現場での取材が様変わりしている。

最初の2大会は、40枚の取材許可証が発行されたが、3戦目のトラベラーズ選手権から25枚に限定された。25人しかいないからといってメディアを狭いテントに押し込めるのはリスクがあるため、通常の広さのメディアセンターが用意され、ほぼそこに缶詰めにされる。

通常の会見場で行われるような記者会見はなく、すべてビデオ会議システムの「Zoom(ズーム)」か「Teams(チームズ)」を利用して会見が行われる。

記者らはメディアセンターからアクセスし、専用の部屋に待機している選手はオンラインで質問を受ける。試合もメディアセンターに用意されたモニターで見ることになる。となると、家でテレビを見ていても同じ。会見へのアクセスが可能なら、現場にいる意味はない。

チャールズシュワブ・チャレンジでは、コースの周りに張られたロープの外を歩いていて選手と会った場合、選手がOKならば、広報を通さずとも1対1の取材ができたようだが、もはやそれは難しい。独自取材をするなら電話だが、なおさら現場にいる必要はない。

もっとも、米ツアー側もそれを望んでいる。メディアは移動に民間機を使うため、その分、感染リスクが高い。気を使っているとも受け取れるが、ウイルスを持ち込まれるのは困る。その分、取材機会を保証する、ということだろう。

モナハン・コミッショナーは「我々は正しい道を歩んでいる」と話す=AP

モナハン・コミッショナーは「我々は正しい道を歩んでいる」と話す=AP

しばらくは通常の取材を諦めるしかなさそうだが、今は平時ではないのだから、それを受け入れるしかない。現場へのこだわりは記者として当然だが、感染リスクとてんびんにかければ、選択は難しくない。

あらゆる面で試行錯誤が続くが、モナハン・コミッショナーは、「我々は、完璧だとは言わない」としながらも、「正しい道を歩んでいる」と話す。

その考えを選手らも支持する。ロリー・マキロイ(英国)は、「陽性のニュースが出るとパニックになってツアーを中断すべきだ、という声も出るけど、冷静に考えれば、確率そのものは低い」と話し、こう続けた。

「気を引き締めなければいけないのは当然だけど、ジェイ(モナハン・コミッショナー)の言葉で、多くは安心した」

依然として米国では感染拡大に歯止めがかからず、綱渡りのところがあるが、米ツアーはひとまず、新しい日常に向け動き出した。

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