国民年金、免除・猶予が拡大 コロナ特例は5月末で4000件超

2020/6/29 16:25
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厚生労働省が29日発表した2019年度の国民年金の保険料納付状況によると、低所得などを理由に保険料の免除や猶予を受けた人は624万人と前年度から10万人増えた。新型コロナウイルスの影響で保険料を免除する特例の承認件数は5月末時点で4022件。免除の拡大は老後に十分な年金を受け取れない低年金の問題につながる。

19年度の国民年金の加入者1453万人のうち保険料の納付者は5割の746万人。免除や猶予を除外し、保険料を払うべき月に対して実際に払った月の比率を示す納付率は69.3%と、8年連続で改善した。納付率の計算に含まない免除・猶予の人が増えている。

19年度は全額免除・猶予が9万人増の583万人、一部免除が1万人増の41万人だった。低所得などを理由に保険料を免除すると、将来受け取る年金額が少なくなる。40年間、保険料を満額払うと年金額は年約78万円なのに対し、全額免除すると年金額は年約39万円に半減する。

新型コロナウイルスの影響は雇用におよんでいる。総務省の4月の労働力調査によると、国民年金の加入者が多いとみられる非正規の就業者は前年同月に比べ97万人減った。国民年金の特例免除件数は増加が続く可能性が高い。

みずほ総合研究所の堀江奈保子主席研究員は低年金への対応として「厚生年金の適用をさらに拡大することが必要だ。政府は段階的に中小企業の短時間労働者に適用を広げる方針だが、勤め先の規模で適用される年金制度が違うのはおかしい」と指摘する。

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