ベトナム、4~6月はプラス成長維持 コロナ対策奏功

東南アジア
アジアBiz
2020/6/29 15:20
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【ハノイ=大西智也】ベトナム統計総局が29日発表した4~6月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比0.36%増となった。新型コロナウイルスの感染拡大でタイやシンガポールなど周辺国が1~3月期時点でマイナス成長になる中、早期の対策が奏功しプラス成長を維持した。

ベトナムの国内の経済活動は正常化に向かっている(ハノイ市)=ロイター

1~3月期の3.68%増からは減速したが、米ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の1.3%減を上回った。アジア開発銀行(ADB)は20年通年のベトナムの成長率予想を4.1%としている。東南アジア主要国では比較的高い水準になりそうだ。

ベトナムはコロナの封じ込め対策を早期に実施し、外出制限措置を4月の約3週間にとどめた。海外からの渡航者を除く国内感染者は約75日間発生していない。日本総合研究所の塚田雄太副主任研究員は「早期の経済正常化がプラス成長に寄与した」と話す。

経済成長をけん引してきた輸出はマイナスに転じた。4~6月期の輸出額の伸びは前年同期比9%減の570億ドルにとどまった。項目別で輸出規模が大きい「携帯電話・同部品」の輸出が24%減少したほか、主要輸出品の衣料品も3割近く落ち込んだ。

ベトナムの総輸出の約25%を占める韓国サムスン電子は国内に2カ所の巨大スマートフォン工場を抱える。世界的な景気低迷が直撃しスマホの生産が落ち込んでいるもようで「本格的な輸出の回復には時間がかかる」(素材業界関係者)との見方が出ている。

一方で、ベトナム政府は景気対策として1~6月期に70億ドル規模の公共投資を実行した。前年同期を19%上回っており、輸出の大幅な落ち込みを補った。GDPの約7割を占める個人消費などの最終消費支出は、国内経済が早期に再開した影響で前年並みを維持した。

ベトナムは2019年まで2年連続で7%成長を続けてきた。政府は総額250兆ドン(約1兆2000億円)規模の景気対策を進めており、20年通年で4.5%前後のプラス成長を実現したい考えだ。

ベトナムは東南アジアの周辺国よりコロナに対して厳しい防疫を続けてきた。人口は約9600万人いるが累積の感染者は約350人。死者はゼロが続いている。

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