シャープ総会、戴会長・野村社長体制で復活目指す
液晶分社化後、戴会長「家電で世界ブランドに」

2020/6/29 15:09
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新型コロナウイルスの影響で参加者は大きく減少した。

新型コロナウイルスの影響で参加者は大きく減少した。

シャープは29日、堺市内の本社で株主総会を開き、社長兼最高執行責任者(COO)就任予定だった野村勝明氏ら4人の取締役選任などを決議した。総会決議を経て副社長だった野村氏は社長兼COO、会長兼社長だった戴正呉氏は会長兼最高経営責任者(CEO)に就いた。2016年にシャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下に入って以降、両者はシャープの経営再建を主導してきた。だが新型コロナウイルスの感染拡大などで業績は再び悪化している。二頭体制を改めて強化して再復活を目指す。

株主総会を経て就任した野村勝明新社長

株主総会を経て就任した野村勝明新社長

「2月以降コロナの影響を受けたが、必ず業績を回復させる」。株主総会の壇上、野村社長は決意を語った。シャープは16年夏に鴻海の傘下に入り、生産の海外移転など改革を進めて業績は回復してきた。だが、コロナ禍で中小型の液晶パネルなどの販売が落ち込み、20年1~3月期は四半期として約4年ぶりの営業赤字となった。野村社長は「1~3月期に比べて4~6月期は回復している」と展望を示した。

戴会長は当初、社長候補に別の人材を探していたとされる。だが業績悪化で過去に業績回復を担った戴・野村の二頭体制で「守り」を固める必要性が高まった。野村社長は経理畑が長く、コストを管理する能力にたけている。今後、事業所の統廃合などを検討する上で、シャープ生え抜きとして社内をまとめ上げる手腕や求心力も求められる。

野村氏を新社長に任命した理由について株主から聞かれた戴会長は「お互いの考え方や仕事のやり方を熟知しており、シャープの事業にも管理にも精通している」と述べた。「会長の私は海外に使う時間を増やし、野村さんには日本のビジネスをしっかり展開してもらいたい」と役割を説明した。

株主総会後に開いた経営説明会では株主から野村社長に対し「会社の顔として企業イメージの向上に貢献してほしい」との要望が出た。野村社長は「これまで副社長として各社の社長らと話をしてきた。今後もしっかりと取り組んでいく」とトップ外交を強化する姿勢を示した。

中長期の成長にはコスト削減に加え、鴻海流のダイナミックな改革が欠かせない。鴻海は生産子会社を分社化して株式市場に上場して資金を調達した実績がある。シャープは5月末にディスプレー事業とカメラモジュール事業の分社化を発表した。株主に狙いを聞かれた野村社長は「次世代ディスプレーの技術開発に備え、他社からの出資による外部資金の調達を視野に入れる」と強調した。

分社化後、シャープには家電など自社ブランドを冠する事業が残る。戴会長はこうした製品やサービスを育て「グローバルブランド企業にする」と訴えた。コロナ禍を乗り越え、新たな成長シナリオを描けるか。2度目の経営再建に向けた実行力が問われてる。

(栗原健太)

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