日立、幸福度を測るアプリ提供で新会社

日立製作所は29日、人が幸せを感じる度合いを測定するアプリケーションを提供する新会社を設立すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で在宅勤務やテレワークが広がる中、従業員の幸福や健康維持を課題とする企業の経営を支援する。幸福度に基づく保険サービスや街づくりなど、幅広い分野での協業も視野に入れる。
新会社のハピネスプラネットを7月20日に設立する。スマートフォンの加速度センサーを使って人の無意識な身体運動パターンを把握し、人が幸福と感じる際の筋肉の動きなどから幸福度を測定するという。資本金は9億9千万円で、設立時の従業員は10人。本体とは別の意思決定や報酬制度などを適用する「出島」と位置づけ、各種パートナーと協業を進める。発表時点では電通や大塚商会がパートナーに名を連ねる。
このアプリを使った実験は83社の約4300人を対象に2018年から実施。3週間の利用で営業利益を1割増やすことに相当する効果があったという。
アプリは計測結果を基に「前向きな言葉を選んで会話する」「休憩時間にストレッチする」といった提案を表示し、幸福度の向上につなげる。アプリ上で雑談がしやすい機能を提供するなど、テレワーク下でも組織内の会話を促す。(井原敏宏)