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ニトリ絶好調、110店舗休んでも売上高プラスに

巣ごもり消費やテレワークの浸透で、収納用品やキッチン・ダイニング用品、机や椅子が売れている

ニトリホールディングスは6月25日、2020年3~5月期決算を発表した。売上高は1737億円で前年同期比3.9%増えた。緊急事態宣言を受け、最大で110店舗が臨時休業したものの、巣ごもり需要や在宅勤務向けの家具の販売が伸び、EC(電子商取引)も好調だった。営業利益は同22.3%増の372億円。通期では34期連続となる増収増益を見込んでいる。

似鳥昭雄会長は記者会見で、特需ともいえる好決算の要因について「家の中にいることが増え、改めて長く使っていた家具を買い替えたり、インテリアのコーディネートをしたりしようという家庭もあった」と説明した。テレワークで必要な机や椅子も売れている。

既存店の売り上げは緊急事態宣言が発令された直後の4月に前年同月を4%下回ったが、外出自粛やテレワークの継続で、収納用品やキッチン・ダイニング用品が徐々に上向いた。5月は同0.6%増。臨時休業した110店舗は国内店舗の5分の1にあたる。このため「90%を割るんじゃないかと思っていた」(似鳥氏)が、開いていた店が前年実績を2、3割上回った。

「22年2月期に向けて手を打つ」

臨時休業の受け皿としてECも機能した。週によっては通販が前年比2.7倍と大きく伸び、3~5月期全体では40.9%増の168億円と過去最高の売上高となった。「昨年夏にECの性能を向上させていたことで大量の注文に対応する体制が整っていた」(同社)

似鳥昭雄会長は「こういう状態がずっと続くとは思っていない」とも話した(25日、東京都内)

在宅勤務の普及や新型コロナウイルスへの警戒感から浸透する巣ごもり需要が、引き続き追い風となりそうだ。足元の6月度(5月21日~6月20日)の既存店売上高は前年同期比47.4%増、客数は43.8%増と絶好調。「10万円の特別給付金が入ったり、外食をやめたり、洋服を買わなくなったりした分の予算を家の中に回していることもあると思う」(似鳥氏)という。

足元では4、5月に動きが鈍かった家具が売れているほか、コロナ禍で初めて来店した客も多いとみられる。20年3~8月期の業績予想に対する3~5月期の進捗率は売上高で54.4%、営業利益で64.4%。似鳥氏は「上半期が終わって売り上げで10%以上、利益で30%以上増えそうなら修正する」と通期予想の上方修正に含みを持たせた。

一方で「こういう状態がずっと続くとは思っていない」と話した。「来期(22年2月期)も増収増益をするために今から手を打っていく」とアフターコロナの消費をつかむ対策に乗り出すと強調した。

似鳥氏は4月の会見で、コロナ禍による景気後退により「建築費が下がり、手当て済みの土地への投資や出店のチャンスになる」と話していた。新たな消費動向に対応する商品開発を急ぎ、来年以降、物流施設にも投資する。

新規事業のアパレルでは「ショッピングセンターから退店したい企業が出てきている。いい場所が多数出てくる可能性がある」とも話していた。不況こそチャンスとかねて唱えてきた逆張り経営に本腰を入れているようだ。

(日経ビジネス 庄司容子)

[日経ビジネス電子版 2020年6月29日の記事を再構成]

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