今は老舗運用会社の投信に注目 危機乗り越えた実績で
アフターコロナの投信選び(2)

日経マネー特集
2020/7/9 2:00
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コロナショック後の投資環境を踏まえ、この先のマーケットで有望とみられるアクティブ型の投資信託を探る「アフターコロナの投信選び」。2回目は、「コロナショックに強かった投信」と「実績のある老舗運用会社の投信」という切り口で、投信の専門家が注目するファンドを紹介する。

■視点1 ショックに強かった投信を選ぶ

格付投資情報センター投信事業部長 岡 忠志さん

格付投資情報センター投信事業部長 岡 忠志さん

「コロナショックでは、機動的な運用ができたアクティブ型投信が強さを見せた」というのは格付投資情報センター投信事業部長の岡 忠志さん。最近は低コストのインデックス型投信が人気だが、3月の急落で肝を冷やした投資家も多い。一方、ショック時に指数より下げが小さく、その後のリバウンドもしっかり取れているアクティブ型投信もある。

「コロナ後の社会を考えるなら、成長が見込めるセクターや銘柄を適切に選別でき、かつ機動的な運用ができる運用者が担当するアクティブ型投信に注目したい」(岡さん)

具体的な投信発掘法の一つとして岡さんが提案するのが、長期的な運用成績にコロナショック前後の騰落状況を加えて評価する方法。長期で着実にリターンを上げ、ショック時の対応も優れていると岡さんが評価するアクティブ型投信を、定性的な評価も加味して挙げてもらった(下表)。

ひふみ投信は、長期的な視点で主に国内の成長株に投資するが、資金の一部を米国株にも振り分ける。市況に応じて株式と現金の比率を調整。コロナショック前の2月には現金比率を31.2%に高め、3~4月の下落局面では値下がりした有望銘柄に積極投資した。「コロナショックで見せた機動的な動きに加えて、10年の累積リターンも244.6%(年率13.2%)と優れた運用実績を持つ」(岡さん)

JPMザ・ジャパンは、日本の成長株への投資で20年を超える優れた運用実績を持つアクティブ型投信。「運用者が常にマーケットの成長テーマを探して投資している。過去20年の累積リターンも296.4%(年率7.1%)と優秀。期待できる」と岡さんはみる。

MHAM新興成長株オープンは、中長期で株価が2~3倍になるような若い企業を発掘して投資するスタイルの中小型株のアクティブ型投信だ。過去の経済ショック時の投資行動などもウェブで開示している。

スパークス・新・国際優良日本株ファンドは、高い技術力やブランド力があり、世界的な活躍が期待できる20銘柄程度の日本株に集中投資して長期保有するスタイル。ベンチマークを設けず、中長期で絶対収益を目指すが、短中期の安定も重視している。10年の累積リターンは228.3%と良好だ。

モルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式オープン(為替ヘッジなし)は、ブランド力、有力特許、販売網などの無形資産を裏付けにした高い利益率を誇る世界の20~40銘柄に投資する。「長期でインデックスを上回っていることに加え、過去の株式市場下落局面ではとても強い下値抵抗力を発揮。下げに強い投信だ」(岡さん)。

◇  ◇  ◇

■視点2 危機を乗り越えてきた長寿投信や老舗運用会社の投信を選ぶ

ガイア 中桐啓貴さん

ガイア 中桐啓貴さん

「今のような先行きが不透明な時期は、多くの経済ショックを乗り越えてきた歴史のある投信や運用会社に資金を託すのも投資アイデアの一つ」と言うのは独立系金融アドバイザー(IFA)大手、ガイアの中桐啓貴さんだ。

足元の経済状況や経済指標は急激に悪化。新型コロナウイルスも世界的に見れば収束には程遠い。にもかかわらず株式市場は急速に回復している。この先、2番底が来るかもしれず、先の展開を見通すのはいつにも増して難しい。そんな中だからこそ、過去数十年にわたって結果を出してきた投信の運用チームなら状況に応じた適切な対応を期待できる、というのが中桐さんの見立てだ。

例えば、2021年に創業90年を迎えるキャピタル・グループが運用するニューパースペクティブ・ファンド。世界株を対象にしたアクティブ運用を得意とする同社の旗艦投信で、45年超の運用実績がある。ブラック・マンデーやリーマン・ショックをくぐり抜けながら、世界株インデックスを大幅にしのぐ成績を上げてきた。

キャピタル世界株式ファンドは、成長期、成熟期のグローバル企業に長期投資するファンド。ニューパースペクティブ・ファンドと同一手法で運用しており、「どんな経済状況でも適切に対応してくれるはずという安心感がある」と中桐さんはいう。

1928年創業のウエリントン・マネージメントは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の外国株式アクティブ運用を受託する米運用会社。CIO(最高投資責任者)を置かず、複数のチームの集合体として運用するのが特徴だ。中桐さんが注目するのは、同社が運用するグローバル・ヘルスケア&バイオ・オープン Bコース(為替ヘッジなし)。先進国の製薬、バイオ、医療、健康関連企業に投資するファンドだ。「例えばワクチン開発が有望だとしても本命の見極めは難しい。同社はテーマから銘柄への落とし込みが巧みだ」

長期投資を徹底する仏独立系運用会社コムジェスト・アセットマネジメントの運用実績にも注目する。同社が投資助言を行う投信の中で、中桐さんが有望とみるのがニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンド(資産成長型)。主に新興国の成長株に投資するファンドで、定量的・定性的なスクリーニングと長期投資を前提とした評価で銘柄を選択する。「新興国の優良銘柄を見つけるのが非常にうまい」と評価する。

(本間健司)

[日経マネー2020年8月号の記事を再構成]

日経マネー 2020年8月号 勝ち組投資家に学ぶ ここからの稼ぎ方&勝負株

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/6/19)
価格 : 780円(税込み)

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