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日医新会長の中川氏、高齢者の医療費負担増に慎重姿勢

経済
政治
2020/6/27 21:58
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日本医師会は27日の会長選挙で、副会長の中川俊男氏(69)を新会長に選出した。安倍晋三首相ら自民党議員とのパイプが太い現職の横倉義武氏(75)を破った。中川氏は当選後の記者会見で、一定所得以上の75歳以上の後期高齢者が病院で支払う医療費を1割から2割に引き上げる政府の方針について慎重な姿勢を示した。

3人の副会長とともに新たな執行部を立ち上げた中川会長(右から2人目、27日)

選挙は中川氏と横倉氏の一騎打ちで、都道府県ごとに選出された代議員372人(うち1人は欠席)による無記名投票で行われた。中川氏は191票、横倉氏は174票と接戦だった。任期は2年間。

「政府に対して勇敢に物を言う私の姿勢を評価する声は多かった」。会見で中川氏は1カ月弱の選挙戦をこう振り返った。自らを「横倉氏の本流の後継者」とし、横倉氏を名誉会長にすることを決めつつ、同氏以上に日医の主張を打ち出していく姿勢を示した。

日医内では安倍政権に近い横倉氏に対して「医療費抑制の圧力に押されている」との不満が高まっており、中川氏の支持につながったもようだ。

中川氏は北海道出身の脳神経外科医。2010年から10年間、日医の副会長を務めてきた。医療政策について議論する厚生労働省の審議会などで「厚労省と政府の方針が食い違っていれば抵抗するのが厚労省幹部の役目だ」と詰め寄るなど、強硬姿勢で知られる。

年間43兆円に達する医療費は高齢化や医療の高度化で膨張している。政府は現役世代の負担を抑えるために、一定所得以上の後期高齢者の自己負担割合を引き上げる方針を全世代型社会保障検討会議で決めた。年末にかけて対象となる所得水準を検討する。

中川氏は「負担増を決め打ちする議論になっているのが気になる」と慎重な姿勢を示し、日医の考えを主張していく構えをみせた。制度設計に向けた今後の議論に影響しそうだ。

新型コロナウイルス感染症が収束するまでの間、ビデオ通話などによるオンライン診療が初診患者からも全面的に解禁されている。

コロナ後の規制のあり方については「これからの経過とともに意見を申し上げていきたい」と明言を避けた。厚労省以外の政府部門からの規制緩和の提案については「必ずしもいいことではない」とした。

敗れた横倉氏は12年に当時の現職を破って会長に就任し、以来4期8年にわたってかじ取りを担ってきた。

安倍首相や麻生太郎財務相らと親しく、医師の技術料として医療機関が受け取る診療報酬の増額を勝ち取った。今回の会長選で5期目を目指したがかなわなかった。

中川氏は「自民党を支持する」と述べたが、日医と政権との距離感は変わりそうだ。

投開票が行われた日医会館(東京・文京)には全国各地から代議員が集まった。フェースシールドを着用するなど感染を防ぐ対応が取られたが、第2波への備えを医療現場で進めているさなかの選挙には批判もあった。

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