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異例ずくめのF1開幕 ホンダ、シリーズ王者目標

2020/6/30 3:00
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新型コロナウイルスの感染拡大の影響で遅れていた自動車レースのF1シリーズが7月5日決勝のオーストリアグランプリ(GP)でいよいよ開幕する。当初予定されていたオーストラリアでの開幕戦はマクラーレンのスタッフの感染が確認されたことで、フリー走行を行う3月13日の朝、直前での中止となった。約4カ月遅れでスタートする今シーズンは無観客、同一サーキットで連戦が行われるなど、異例の形となる。

F1は7月5日決勝から開幕。第8戦までは欧州内を転戦する(オーストリアGPが開催されるレッドブルリンク)=AP

F1は7月5日決勝から開幕。第8戦までは欧州内を転戦する(オーストリアGPが開催されるレッドブルリンク)=AP

今季は史上最多の22戦のスケジュールが組まれていたが、新型コロナの影響で中止・延期が相次いだ。1987年から続く日本GP(三重県鈴鹿サーキット、10月11日決勝)も「海外からの渡航に関する規制解除の見通しが立っていない社会状況および国際的に大規模な移動を伴うイベントの特性を鑑み」中止となった。

そのため6月2日に国際自動車連盟(FIA)から新たに発表された日程は第1戦のオーストリアから第8戦のイタリア(9月6日決勝)まで、欧州内を転戦するというもの。当面は無観客で行われ、そのうちオーストリアと英国では2週連戦となる。F1は1カ国1GPが原則。例外で2大会とする場合でも94、95年の日本(鈴鹿で日本GP、TIサーキット英田でパシフィックGP)のように別会場で開催してきた。同一会場での連戦がシリーズの行方にどう影響を与えるか。

コロナで全チームは開発を5週間中止

各チームの拠点がある欧州各国は新型コロナの影響を受けて、軒並みロックダウン(都市封鎖)などを強いられた。そのためFIAとの協議の末、各チームは一律で5週間にわたり、車の開発を止めた。レッドブルとアルファタウリ(旧トロロッソ)にパワーユニット(PU)を供給するホンダも、チームのファクトリーとともに日本国内での研究・開発を停止している。

F1開幕へ向け、オンラインで意気込みを語るホンダの浅木泰昭PU開発総責任者=共同

F1開幕へ向け、オンラインで意気込みを語るホンダの浅木泰昭PU開発総責任者=共同

異例ずくめでの開幕だが、昨季3勝をあげて復活を印象づけたホンダにとっては待ちに待ったシーズンといえる。2月に行われたスペイン・バルセロナでの合同テストでは「日々充実している毎日だった」と山本雅史F1マネージングディレクターは手応えを口にする。オーストリアGPが開催されるレッドブルリンクはレッドブルのホームサーキットで、ホンダとしても2006年以来、復帰後初の優勝を飾った験のいいコース。開幕戦で好結果を残し、弾みをつけたいところだ。

開幕前に記者会見したホンダの浅木泰昭PU開発総責任者は復帰後に初勝利したオーストリアGP、3勝目を手にしたブラジルGPのデータを基に製造者部門で6連覇中のメルセデスとのパフォーマンスの差について分析した。特にレッドブルのマックス・フェルスタッペン(オランダ)が優勝、トロロッソのピエール・ガスリー(フランス)が2位に入ったシーズン終盤のブラジルGPでは「メルセデスと対等に戦えた」と振り返った。

「平地でメルセデスに追いつきたい」

一方で「調子が良かったのは標高が高いところ。ホンダジェットの技術を使っていることもあり、ターボ、コンプレッサーの調子が良かった。ただ、標高が低い平地ではメルセデスに負けている」と評価、「今年は平地でもメルセデスに追いつく」と力を込めた。

ルイス・ハミルトンを擁するメルセデスは製造者部門で6連覇を誇る=ロイター

ルイス・ハミルトンを擁するメルセデスは製造者部門で6連覇を誇る=ロイター

現段階では今季何戦が行われるかは未定だが、FIAは15~18戦を想定しているとされる。ただ新型コロナの影響で今季のPUは開幕戦で持ち込んだ仕様のものを1年間使うことになった。開幕戦の重要性が増している中で「スペック1、2、3と段階的に進化していく予定だった」と浅木氏。本来ならこの時期に開催されるオーストリアGPにはスペック2を持ち込むはずだったが、開発停止期間があったことで、当初もくろんでいたパフォーマンスには到達できなかったという。ただ、それはライバルチームも同条件。7月開幕に向けた開発を進めたPUについて「1年で伸びる分の、3分の1程度は伸びているはず。我々はスペック1.1と呼んでいる」と自信をみせる。

レッドブルは6月25日に英シルバーストーン・サーキットでテスト走行。準備が着々と進む(2019年の英国GP)=ロイター

レッドブルは6月25日に英シルバーストーン・サーキットでテスト走行。準備が着々と進む(2019年の英国GP)=ロイター

6月25日には英国のシルバーストーン・サーキットでレッドブルがテスト走行を実施。開幕への準備は着々と進んでいる。ライバルは6度世界王者に輝いたルイス・ハミルトン(英国)を擁するメルセデス、13年以来5度目のタイトルを目指すセバスチャン・フェテル(ドイツ)、昨季2勝をあげた22歳の新鋭シャルル・ルクレール(モナコ)がそろうフェラーリとなる。

「目標はシリーズチャンピオン。最低メルセデスと五分のPUにする」と浅木氏。マクラーレン・ホンダが製造者部門を制し、アイルトン・セナ(ブラジル)がドライバーズ部門で優勝した1991年以来のシリーズ制覇へ。新型コロナという困難に直面しながらも、新たなシーズンが開幕する。

(馬場到)

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