中国、28日から国家安全法案の審議再開 全人代常務委
米国は対中圧力強める、中国共産党員のビザ発給を制限

米中衝突
2020/6/27 7:49
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【ワシントン=永沢毅】中国は28~30日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会を開く。「香港国家安全維持法案」の審議を再開する見通しだ。トランプ米政権は26日、香港への統制強化に動く中国への制裁の一環で中国共産党員へのビザ(査証)発給の規制を発動すると発表した。米議会は制裁強化法案を準備している。中国は月内にも関連法案の成立に踏み切るとの観測があり、米国は成立阻止へ圧力を強める。

香港では反政府デモも抑圧される懸念が強まっている=AP

「香港の高度な自治の尊重を約束した(1984年の)中英共同宣言を損なう」。ポンペオ米国務長官は26日の声明で国家安全法案をこう非難し、ビザ発給の規制をかけると明らかにした。5月末にトランプ大統領が香港問題を受けて発表した対中制裁の一環で、今回が初めての発動になる。

高度な自治や人権、基本的自由の侵害に関わったとみなした複数の中国共産党の新旧の当局者が対象となり、家族にも制限が及ぶ可能性があると説明した。対象者の名前や人数は明らかにしていない。

在米中国大使館の報道官は27日、声明を出し「中国は米国の誤った決定に強く反対する。すぐに決定を撤回し、中国への内政干渉をやめるよう強く求める。中国側は引き続き国家の主権や安全を守るために強力な措置を講じる」と述べた。

米議会では制裁対象を大幅に広げる検討も進んでいる。上院が25日に全会一致で可決した「香港自治法案」は香港の自治の侵害に実質的に関わった外国人や海外の組織に加え、その人物らと取引関係のある海外の金融機関にも制裁を科す。

対象となった金融機関は米国の金融機関からの融資が禁じられ、米国人による借り入れができなくなる。第三国の組織も対象になる「セカンダリー・サンクション」(二次的制裁)で、運用次第では幅広い金融機関が制裁対象になる可能性がある。成立には下院での可決を経てトランプ大統領の署名が必要となる。

香港政府の報道官は26日夜、法案に反対する声明を出し「金融機関の通常業務に影響を及ぼしうる措置をとらないよう米国に責任ある行動を求める」と指摘した。

米国の攻勢に、中国は貿易協定の履行で揺さぶりをかける。貿易交渉を巡る「第1段階の合意」の不履行もちらつかせており、米国との駆け引きが激しくなっている。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)中国共産党政治局員は17日のポンペオ氏とのハワイでの協議で、貿易合意の履行は米中が連携する必要があるとの認識を強調したとされる。また香港や台湾、ウイグル問題などを念頭に「干渉しすぎないように」と警告したという。

11月の大統領選を控えるトランプ氏は自身への追い風となる貿易合意を重視しており、中国側は同氏の足元をみている可能性がある。

トランプ氏は17日、中国の新疆ウイグル自治区で少数民族ウイグル族への弾圧に関与した中国当局者への制裁に道を開くウイグル人権法に署名した。ただ、米議会が準備している新たな制裁法案の成立には難色を示しているもようで、署名するかどうかは不透明だ。

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