Amazon、自動運転の新興企業を買収 1300億円超か

2020/6/26 22:52 (2020/6/27 5:42更新)
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アマゾンは自動運転のスタートアップ企業を買収する=AP

アマゾンは自動運転のスタートアップ企業を買収する=AP

【シリコンバレー=白石武志】米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムは26日、自動運転技術開発の米ズークス(Zoox)を買収すると発表した。アマゾンは無人配送など物流網の効率化へ投資を強化しており、有力スタートアップ企業の買収で先端技術分野での優位性を高める。

買収額は明らかにしていないが、英フィナンシャル・タイムズによると12億ドル(約1300億円)を超える見通し。アマゾンは自動運転や電気自動車(EV)の分野で投資を加速しているが、今回の買収は最大規模になるとみられる。

■無人配送にらみ先行投資

ズークスは米スタンフォード大出身の技術者らが14年に設立。米テスラなどライバルから積極的に人材を引き抜き、人工知能(AI)などの分野で1000人を超える従業員を抱える。18年にカリフォルニア州政府から自動運転車による試験サービスの認可を得た。トヨタ自動車の車両に自社開発の自動運転システムを積み、本社のあるシリコンバレー周辺で公道走行試験を重ねてきた。

市街地を走行する米ズークスの自動運転車(2019年12月、米ラスベガス)=目良友樹撮影

市街地を走行する米ズークスの自動運転車(2019年12月、米ラスベガス)=目良友樹撮影

アマゾンはズークス買収で無人配送の実現を目指す=ロイター

アマゾンはズークス買収で無人配送の実現を目指す=ロイター

アマゾンはズークスのノウハウを活用し、企業の生産拠点と配送センター、消費者の自宅までを結ぶ物流網の効率化につなげる。アマゾンはネット通販で先行するが、近年は米小売り大手ウォルマートや新興のショッピファイ(カナダ)などとの競争が激しくなっている。物流網の効率化は競争力を左右するだけに、積極的な投資によりデジタル技術を磨く。

アマゾンとズークスは26日の共同声明で、「買収によって自動運転分野でのズークスの影響が強固になる」と述べた。ズークスの現経営陣が引き続き経営にあたり、ズークスが手掛けてきた無人のロボットタクシーの開発も継続する。

■自動運転ウェイモ独走、Zooxは6位

自動運転の分野では、米アルファベット傘下のウェイモが先行する。カリフォルニア州での公道走行試験の19年実績では、ウェイモが234万キロメートルと、GMクルーズ(約134万キロメートル)など2位以下を圧倒した。ズークスは約11万キロメートルで6位だった。

アマゾンは19年、グーグル出身の技術者らが設立した自動運転開発の米オーロラに出資。同年、EV開発の米リヴィアンにも出資するなど、モビリティー分野への投資を積極化している。これまで自動運転やEVは人を運ぶ目的が主体だった。モノを運ぶ物流面で膨大なノウハウとデータを持つアマゾンの本格参入により、競争の構図が変わる可能性がある。

■新型コロナで「お買い得」に

一方、新型コロナウイルスの世界的なまん延は、自動運転技術の開発環境にも影を落とす。米ウーバーテクノロジーズやゼネラル・モーターズ(GM)は本業の不振を理由に開発人員を削減。米メディアによると、ズークスも資金不足により120人の人員削減に追い込まれた。アマゾンによる買収額も、18年当時の同社の企業価値約32億ドルを大きく下回ったもようだ。

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