スズキ株主総会、鈴木社長「インドシェア50%保つ」

2020/6/26 19:30
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スズキは26日、浜松市内のホテルで定時株主総会を開いた。新型コロナウイルス感染防止に向け来場自粛を呼び掛けるなど厳戒態勢で臨んだ。株主からは経営へのコロナ禍の影響を懸念する質問が相次いだ。鈴木俊宏社長は現状の厳しさを説明しながらも、主力のインドの乗用車市場で「2030年にも現在のシェア50%を保ちたい」と改めて強調した。

 鈴木社長は主力のインドの乗用車市場で「2030年にも現在のシェア50%を保ちたい」と改めて強調した(26日)

「インドでは6月に入っても感染者は増え、(累計)感染者数は世界4位に達する。今期の見通しを立てるのは困難」。新型コロナで来日できず、ビデオメッセージを寄せたインド子会社、マルチ・スズキの鮎川堅一社長は不透明な先行きを吐露した。

経済の減速などで低迷が続いていたインドの自動車市場。スズキは小型多目的スポーツ車(SUV)「エスプレッソ」などの新型車の投入や法人税減税を生かした値下げが功を奏し、回復の兆候が見えていた。

しかし、年明け以降、20年3月期末に向け、新型コロナの影響が影を落とし始めた。販売店が休業に追い込まれ、工場も操業が止まった。販売は3月が前年同月から半減し、4月はゼロになる事態となった。同国西部グジャラート州に建設する新工場の稼働は7月の予定だったが、再延期を余儀なくされた。

ここへきて現地の経済活動は段階的に再開されている。スズキも5月25日までに全工場が操業を再開し、販売店も9割が営業の再開にこぎ着け、明るい兆しも出てきた。ただし、感染の第2波、第3波のリスクが消え去ったわけではない。

30年に乗用車市場は現在の3倍以上となる1000万台に成長、市場では現行シェア50%を維持する――。スズキはそんな将来像を掲げてきた。新型コロナの影響で市場の成長鈍化は避けられないだろう。それでも鈴木社長は生産体制の強化や販売網の拡充など基本戦略は変えず、シェア50%を死守する構えを改めて強調した。

19年に資本提携を結んだトヨタ自動車との協業の進捗に対する質問も出た。長尾正彦取締役は「トヨタからハイブリッド(HV)システムなど先進技術の導入支援を受け、スズキからはインドでのOEM(相手先ブランドによる生産)供給を始めるなど各分野で協業が着実に進んでいる」と説明。自動運転を含めた新分野でも連携し、提携を深化させると強調した。

今年の総会は新型コロナの影響で、異例づくしとなった。マスク未着用の人や検温で37.5度以上の発熱があった人は入場を断るようにした。会場での座席は間隔をあけて配置し、例年より座席を大幅に減らした。

株主には来場自粛を呼び掛けたため、出席株主は134人と昨年度の約2割にとどまった。議事進行の短縮にも努め、所要時間は73分で終了(昨年度は114分)。質問は7人・6件(同10人・10件)だった。鈴木修会長や鈴木社長の再任を含めた取締役9人の選任議案など、4件が原案通り承認・可決された。

「ピンチはチャンスに変えられる」。5月下旬、20年3月期の決算発表の場で鈴木会長はそう意気込んだ。創立100周年のこの年に新たな試練を迎えているスズキ。何度も危機を乗り越えてきた同社はこの難局をどう乗り切るか注目される。(新沼大)

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