日銀総裁、成長期待の低下警戒 「第2波リスク注視」

2020/6/26 11:16
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黒田総裁は金利について「現時点でさらに下げる必要はない」との認識を示した(写真は2019年9月、都内での講演)

黒田総裁は金利について「現時点でさらに下げる必要はない」との認識を示した(写真は2019年9月、都内での講演)

日銀の黒田東彦総裁は26日、米ハーバード・ロースクールなどが主催するイベントに参加し、新型コロナウイルス流行の第2波について「経済を大きく下押しするリスクに注意が必要だ」と語った。「必要があれば中央銀行としてあらゆる手段をちゅうちょなく講じる」とも重ねて強調した。

イベントはインターネット上で実施した。黒田氏は世界的な感染者の増加を踏まえ「いまだに感染症の拡大に歯止めがかかったとは言いがたく、最近は感染の第2波への懸念もみられている」と指摘した。経済のさらなる悪化を回避するポイントに「企業の資金繰りの確保」を挙げ、大規模な金融緩和の継続と金融システムの安定を重視する考えを示した。

日本の1990年代の金融危機後の経験を引き合いに「企業や家計の成長期待が低下し、支出スタンスが慎重化しないか」も今後の注意点に挙げた。企業や家計が手元に資金をため込み、設備投資や個人消費が盛り上がりを欠けば、景気や物価の長期低迷につながるためだ。

日銀が3月以降に実施した政策対応は「相応の効果を発揮している」としたが、景気の下振れリスクを意識し「企業などの資金繰り支援と金融市場の安定維持に万全を期す」と強調した。

質疑応答では、短期政策金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導する長短金利操作について「現時点でさらに(金利を)下げる必要はない」との認識を示した。株式相場が実体経済からかけ離れて上昇しているとの指摘には「株価は基本的に経済や企業収益の予測に基づくものだ」と言及。株高の背景に世界経済の回復期待があるとして、経済政策への期待が招くバブルとの見方には距離を置いた。

日銀がコロナ対応で始めた資産購入枠の拡大といった追加措置は経済が通常の成長軌道に戻れば縮小する考えも示した。ただ、2%の物価安定目標は堅持する方針のため「目標達成まで(資産購入で膨らんだ)日銀のバランスシートは正常化されないだろう」とした。

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