/

五輪どうする 簡素化検討のさなか、都知事選で舌戦

東京都知事選(7月5日投開票)で、来夏に延期された東京五輪・パラリンピックを巡って各候補が主張を闘わせている。延期に伴う多額の追加費用、新型コロナウイルスのリスクを理由に中止や再延期を訴える候補もいる。大会簡素化の検討が進むなか、都が直面している課題は大きい。

都立代々木公園に設置されるライブサイトのイメージ=東京都提供

「簡素化して費用を縮減する」「安全な開催が保証できない。中止を」「治療法の確立を待ち、4年後に延期して完全な形で開催する」。東京五輪について多くの候補がネットや街頭で主張を展開している。大会関係者は「五輪開催は分かりやすい論点だから取り上げられやすい」と話す。

大会の延期による競技会場借り換えの費用や人件費の増大のほか、新型コロナの感染防止策も必要となり、大会の追加費用は約3千億円ともいわれる。

国際オリンピック委員会(IOC)や都、大会組織委員会は大会の簡素化に向けた協議を進めており、コストをどこまで削減できるか、国も含めて誰がどう負担するかが今後の焦点となる。別の大会関係者は「開催都市である以上、相応の負担は都に生じる」とみている。

開催に都民の理解を得るため、都は大会の計画を幅広く見直し、コストの削減に取り組む。

代々木公園や井の頭公園など都内5会場、東日本大震災の被災地など4会場に大画面を設置し、競技の模様を生中継する「ライブサイト」も断念する方向で検討が進む。

チケットがなくても楽しめる大会の盛り上げ策の目玉の一つとして、五輪期間中に1日約10万人の来場を見込み、都は今年度予算に47億円を計上していた。しかし、密集によって感染リスクが高まる懸念もあり「実施は困難」(都幹部)との判断に傾いている。

IOCは大会簡素化について9月に大枠の計画をまとめる方針。大会関係者向けの送迎車両の削減、式典の規模の縮小など、感染防止策と合わせて検討されているコスト削減策は多岐にわたる。

東京都は新型コロナ対応のため計約1兆円の予算を組んだばかり。都の貯金に当たる「財政調整基金」は9千億円以上あったが、大幅に取り崩して500億円以下に減ることになる。コロナ禍による経済活動の停滞で今後の税収減も避けられないとみられ、ある都議は「五輪の追加費用を捻出する余裕はない」と指摘する。

都内の有権者を対象に日本経済新聞が19~21日に行った世論調査では、東京五輪について「簡素化して開催」が46%、「今の状況を考えれば中止はやむを得ない」が43%となった。

コロナ禍の終息が見通せないなか、都知事選の当選者は開催都市のトップとして重い課題を背負うことになる。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン