道の地図データ使い燃費10%改善 トムトムとデルファイ

オランダの地図大手トムトムと英国の自動車部品大手デルファイ・テクノロジーズは、道路勾配などの情報を含んだ地図と先進運転支援システム(ADAS)を組み合わせた走行テストで燃費を10%改善することに成功した。地図にある道路のカーブや勾配などのデータを活用し、車の速度などを制御する。将来的には自動運転車への活用を目指して開発を進める。
トムトムが手がける道路の勾配や速度制限、カーブなどの情報を含んだ地図「トムトムADASマップ」と、デルファイが手がける地形や位置情報などによって車の加速などを制御する「インテリジェント・ドライビング」を掛け合わせた。例えばカーブの先が下り坂になっていたときに、曲がりきる前にスピードを落とすといった具合だ。
走行テストは米国の中西部、ミシガン州の公道で実施した。乗用車にインテリジェント・ドライビングのソフトウエアと、ADASマップを搭載。合計数百キロメートルを走り、燃費性能を計測した。インテリジェント・ドライビングを有効にした場合と無効にした場合を比較すると、有効のときは無効のときに比べて燃費が10%向上した。
ADASマップは自動運転レベル1、レベル2を搭載する自動車で採用が進み、アジアや欧米で150万台の車両に搭載されている。インテリジェント・ドライビングは、エンジンや車両本体の設計を変えることなく、運転支援システムの一環として燃費を改善できることが特徴だ。両社は自動運転の普及をにらみ、実用化に向けて開発を進める。