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JR4社、持ち合い株増 「信頼醸成へ有効」

JR東日本JR東海などJR4社が、互いの株式の持ち合いを増やしたことが分かった。技術開発などで情報交換を密にするなど、関係を強化する狙いがある。ただ、上場企業全体では持ち合い解消の流れが強まっている。持ち合いの意義や効果について、明確な説明が求められそうだ。

2020年3月期にJR東とJR東海、JR西日本JR九州が互いの株式を追加取得していた。それぞれの保有数は19年3月末比で1.8~3.6倍になった。発行済み株式数(3月末時点)に占める割合はそれぞれ0.2%から1%程度。JR九州株の保有は3社とも1%を超えた。

JR4社は持ち合い拡大の理由を、災害対応や技術開発の情報交換、鉄道とほかの交通機関を組み合わせて効率的な移動を目指す「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」の強化などと説明する。JR九州の青柳俊彦社長は日本経済新聞の取材に「持ち合いは信頼関係を醸成する上で有効な手段だ」と話す。株式を追加取得した時期は不明だが「新型コロナウイルスは関係ない」(JR西)という。

JR九州は米投資ファンドのファーツリー・パートナーズから2年連続で取締役選任などの株主提案を受けている。「ファーツリーへの対応で持ち合いを増やしたのでは」(みずほ証券の菊地正俊氏)との見方もある。

鉄道会社は取引先が多く、持ち合いを維持する傾向が強い。野村資本市場研究所によれば、19年3月末の上場企業の政策保有株の自己資本に対する割合は、非金融業全体で9%に対し、鉄道を含む陸運業は13%だった。

JR4社の業績はコロナ禍で低迷する。20年4~6月期は鉄道やホテルなどが大幅に減収する見通しで、固定費負担も重い。鉄道需要がコロナ前の水準まで戻らない可能性もある。MaaSなど、中長期の対策の必要性は増している。

ただ、上場企業間の株式の持ち合い解消は進んでいる。コロナ禍の市場の混乱から評価損リスクも意識されている。「効果や投資リターンがあるのか、会社は合理的に説明する責任がある」(野村資本市場研究所の西山賢吾氏)

JR各社は16年3月期まで資本関係はごくわずかだったが、JR九州が上場した17年3月期に本格的に株式の持ち合いを始めた。19年3月期までは追加取得はなく、保有比率は0.05~0.4%程度だった。

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