関西電力、問われる自浄作用 総会で新体制スタート

2020/6/25 21:05
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株主総会後、記者会見する関西電力の森本社長(25日、大阪市)

株主総会後、記者会見する関西電力の森本社長(25日、大阪市)

関西電力は25日、役員らによる金品受領問題が発覚してから初めての定時株主総会を開き、指名委員会等設置会社への移行や、新会長に内定していた榊原定征前経団連会長を取締役に迎える人事案の承認を得た。ただ株主の不信感や疑念は深く、問題の原因とされた「内向き体質」から脱却するためには、息の長い自浄作用が問われる。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ狙いから、関電は株主に総会への来場自粛を求めた。出席者は328人と前年より506人少なく、3時間あまりで終わった。

関西電力の株主総会会場に向かう株主ら(25日午前、大阪市住之江区)

関西電力の株主総会会場に向かう株主ら(25日午前、大阪市住之江区)

総会では金品受領問題への批判が相次いだ。再発防止策を尋ねる質問に、森本孝社長は「外部の客観的な視点を重視する仕組みを整え、一人ひとりの意識と行動を変えていく」と回答。透明性向上を求める株主に対しては「役員が率先して行動し、事業の透明性を高め、外部の視点による指導監督の下で適切な情報開示を行う」と応じた。

具体的な施策として、改革の柱に位置付ける指名委等設置会社への移行が可決された。取締役会の中に指名と報酬、監査の3委員会を置き、社外取締役が各委員会の過半を占める。社外取には榊原氏や日本製鉄社友の友野宏氏らが選任された。

会長に就いた榊原氏は「関電は一連の問題で危機的な状況にある。これまでの経験・知見を総動員して強固なガバナンス体制を構築し、新しい関電の創生に全力で取り組む」などとするコメントを出した。また関電は同日、副社長以上の報酬を平均8%減らすことも発表した。

もっとも、関電は信頼回復に向け、新体制がスタートを切ったにすぎない。企業統治に詳しい近畿大の芳沢輝泰准教授は「会社形態の変更や社外取締役の増員だけでは『内向き』の企業風土は変わらない」と指摘。「重要なのは都合の悪い情報でも公開する姿勢で、役職者の倫理教育の徹底などが必要になる」と強調する。

株主だけでなく、原子力発電所の立地自治体も厳しい目を向けている。福井県の杉本達治知事は11日の定例記者会見で「まだ信頼関係が修復できている状況にはない」と述べた。高浜原発を抱える同県高浜町の野瀬豊町長も「町民との信頼関係の構築、地域共生をこれまで以上に意識してもらう必要がある」と話す。原発40年超運転への地元同意問題を念頭におく。

関電が20年中に福井県外で候補地を選ぶとする使用済み核燃料の中間貯蔵施設にも地元の注目が集まる。杉本知事は「一つひとつの約束を守ることが信頼回復の唯一の道だ」とくぎを刺す。

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