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業績ニュース

ニトリ株、コロナ乗り切り急伸 3~5月は2割増益

2020/6/25 20:07
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冷感素材を使った寝具の販売も好調だった(東京都内のニトリの店舗)

冷感素材を使った寝具の販売も好調だった(東京都内のニトリの店舗)

ニトリホールディングスが25日発表した2020年3~5月期連結決算は2割増益で、6月の既存店売上高(5月21日~6月20日)も前年比約5割伸びた。株価は9日続伸して2万円を突き抜け、その上昇率は小売業界の平均を大きく上回る。業界に吹き荒れた新型コロナウイルスという嵐を見事に乗り切った背景には、ニトリが持つ商品・配達面の地力がある。

25日の終値は345円(2%)高の2万715円。年初からの伸び率は21%で、日経業種別平均の小売り(5%)を大きく上回る。軟化するファーストリテイリングセブン&アイ・ホールディングスなどの小売り大手とは対照的だ。ニトリの時価総額は約2兆3700億円に達し、5月下旬からイオンを上回る。

市場からの高評価は「突出した業績の伸びと安定性が背景」(JPモルガン証券の村田大郎氏)だ。3~5月期の営業利益は22%増の372億円と同四半期として過去最高で、売上高は4%増の1737億円だった。6月も既存店売上高は47%増で、既存店客数が

44%増えており需要の裾野の広さを示す。

新型コロナによる悪影響は小さい。他の小売りでは感染が広がった中国の生産拠点が稼働を停止し、商品が調達できなくなるケースがあった。ニトリは大半の商品が感染が軽微だったベトナムの工場で生産されており、一部の商品を除き欠品が避けられた。

販売面では、百貨店内にある店舗などを除き、感染防止対策をしたうえで営業を続行。主力店舗が外出自粛の影響が小さい郊外に集中していることが奏功した。逆に「巣ごもり消費」で、整理・収納用品の販売が平時より増加。在宅ワークの拡大によりパソコンデスクや椅子の販売も伸びた。店舗だけでなくネット通販も好調だった。コロナ対策として政府が用意した1人10万円の特別定額給付金は、高価格品の販売増につながった。

だが、新型コロナという逆風を追い風に変えたのは偶然ではない。例えば整理・収納用品では、ネジや工具なしに組み立てられる独自の構造を持つ商品を展開し、普段はこうした商品を買わない顧客には大きな魅力となった。生活用品が1つの店舗ですべて購入できるようテレビや冷蔵庫など家電にも参入。これが感染予防のため「まとめ買い」を希望する顧客のニーズにも合致した。

組み立てに工具を使わない収納用品の販売が伸びた(東京都内の店舗)

組み立てに工具を使わない収納用品の販売が伸びた(東京都内の店舗)

大型家具は顧客の自宅まで配送する必要がある。コロナで物流が混乱するなか、自社物流を強化してきたのが大きい。荷物を降ろさずにコンテナごと別のトラックに付け替える運送方式を拡大しており、輸送効率の向上につながった。

ネット通販も昨年サーバーを強化したことで処理能力が増えたほか、玄関の外に置く「置き配」を取り入れたことで1日あたりの配送件数が伸びた。これは感染予防策にもなった。

今回の発表では21年2月期の業績は売上高で2%増の6532億円、純利益で6%増の757億円とするこれまでの予想を据え置いた。市場では上振れ余地を指摘する声も少なくない。

決算発表を受けて今後利益確定売りが出る可能性もあるが、JPモルガンの村田氏は「コロナによる郊外シフトとネット通販シフトへの対応度合いは随一」と評価。30倍台の予想PER(株価収益率)についても「ファーストリテイリング(63倍台)を考えると過熱感はない」と指摘する。

(松川文平)

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