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挫折も隠さず子供たちに伝えたい 横浜Mユースの絆

2020/6/25 17:19
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コロナ禍の渦中、「自分たちの経験を子どもたちに伝えられないか」と動き出したアスリートは多い。中でもサッカーJ1の横浜Mユース出身者6人による「ROOTS.」はユニークだ。共通点は同じユース出身というだけ、しかも全員、今も横浜Mに所属している選手はおらず、6人のうち2人はJリーガーではなく会社員という異色のメンバーだ。

2回目のトークイベントでは太子堂フットボールクラブの小学生と交流した(17日)(C)ROOTS.実行委員会

2回目のトークイベントでは太子堂フットボールクラブの小学生と交流した(17日)(C)ROOTS.実行委員会

原点への感謝を込めて命名

6人は森谷賢太郎(愛媛)、長谷川アーリアジャスール(名古屋)、田代真一(横浜FC)、武田英二郎(横浜FC)、斎藤陽介さん(元横浜M)、山岸純平さん(法大サッカー部出身)で全員が同期。初めてのイベントとして、6月15、17、23日の3日間、小学生のサッカーチームとのオンライントークをした。

17日は太子堂フットボールクラブ(東京・世田谷)の小学生8人と約40分間の会話を楽しんだ。「中学生になる前にリフティングは何回できたらいいか」という子どもからの質問に対して、武田は「僕は中学に入ったとき50回くらいしかできなかった。回数も大事だけど、自分の長所を伸ばすことも大切」とエールを送った。

新型コロナウイルスの影響で約3カ月間、Jクラブはチーム全体での活動停止を余儀なくされた。自粛期間中はクラブ単位での社会貢献活動が多い中、違うチーム、違う立場の6人が同じユースチーム出身という理由で集まり、活動をするのは珍しい。森谷は「この6人はユースを卒業した後も連絡を取り続ける仲で、みんなで何かやりたいねと話していた。新型コロナという状況で小さなことでも僕たちにできることはないかと相談して始めた」と説明する。「ROOTS.」というプロジェクト名は、サッカー選手としての原点であり、自分たちをつないでくれた横浜Mへの感謝の意を込めているという。

プロになれなくても…

J1だけでなく、J2、会社員と様々なメンバーがいることが「僕たちの強み」と森谷は胸を張る。プロを目指す人全員がJリーガーになれるわけではなく、なれたとしても試合になかなか出られなかったり、戦力外通告を受ければチームから去らなければいけなかったりする。「(プロに)たとえなれなかったとしても、そのとき一緒に頑張ったからこそ得られる仲間がいる、ということも伝えたい」と森谷。

インタビューを受ける愛媛FCの森谷賢太郎(17日)(C)ROOTS.実行委員会

インタビューを受ける愛媛FCの森谷賢太郎(17日)(C)ROOTS.実行委員会

ユース時代にキャプテンとしてチームをまとめた山岸さんは6人の中では唯一プロになれなかったが、子どもたちへの最後のあいさつで「僕はサッカーで得た経験を生かして仕事を頑張っています。サッカーを通じて色々吸収して成長していってほしい」と願いを込めた。

かつて共に戦ったメンバーはそれぞれが違う道を歩み、今ここで再び集まった。「『ROOTS.』を含めいろんな活動をしているけれど……」と前置きして森谷は語気を強めた。「サッカー選手はピッチの上で結果を出してファンの皆さんを喜ばせるのが仕事」。Jリーグの再開の日が目前に迫り、サッカーが日常に戻る日も近い。自分たちのルーツに立ち返った6人はそれぞれの場所でも活躍した姿を見せてくれることだろう。

(田原悠太郎)

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