国立民族学博物館に新たなトーテムポール

文化往来
2020/7/1 2:00
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大阪府吹田市にある国立民族学博物館の前庭に24日、国内最大級のトーテムポールが新たに立ち上げられた。カナダ先住民族クワクワカワクゥのアーティスト、ビル・ヘンダーソン氏一家の手によるもので、高さ9.6メートル、直径1.2メートル。ヒノキ科の樹木レッドシダーの丸太にワシ、双頭のオオウミヘビ、サケを抱えたクマが刻まれ「大いなる力」「豊かな収穫」を表現しているという。

国立民族学博物館の前庭に新たに立ち上げられたトーテムポール(24日、大阪府吹田市)

国立民族学博物館の前庭に新たに立ち上げられたトーテムポール(24日、大阪府吹田市)

作業に先立ち、吉田憲司館長が「来館者をまず出迎える当館の新しい顔。現地で人々を見守るように、日本の皆さんを見守る存在になってほしい」とあいさつ。巨大なトーテムポールはクレーンでつり上げられ、鉄骨コンクリート製の基礎にボルトで固定された。

2024年に迎える創設50周年を記念する事業の一つ。費用の一部を賄うためクラウドファンディングを実施したところ、当初の目標300万円を大きく上回る約420万円の寄付が集まったという。

制作は19年4月に始まり、20年2月に完成。4月1日に大阪港に到着して同館に搬入された。建立にあたって、制作者らを招いて伝統的な儀式を執り行う予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて来日できず中止。後日、改めて祝福の儀式を営む。

トーテムポールは、北米先住民族の人々が個人や家族、集団と深い関わりを持つ動物や自然現象などを刻んだ紋章で、村や家の標柱、あるいは墓標として建てられる。民族アートの代表、人類学のシンボル的な存在とされる。

同館の前庭にはもう1本、開館時に立ち上げたトーテムポールがある。傷みが目立つが、現地の慣習にのっとり修理はせず、風化するに任せて土に戻すという。

(竹内義治)

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