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「司法長官が求刑軽減要求」 米議会で内部告発者が糾弾

バー米司法長官はロシア疑惑をめぐりトランプ大統領の事実上の無罪を決めた=ロイター

【ワシントン=中村亮】米議会が24日開いた公聴会で、司法省の内情を知る内部告発者がバー司法長官を相次いで糾弾した。トランプ大統領の元側近への求刑を軽くするよう検察官に求めたり、環境規制に慎重なトランプ氏が不満を漏らした翌日に自動車の燃費規制の調査を命じたりしたと訴えた。

下院司法委員会は24日、政治による司法介入をテーマにした公聴会を開いた。検察官としてロシア疑惑を捜査したアーロン・ゼリンスキー氏はトランプ氏の元側近であるロジャー・ストーン被告の裁判をめぐり「初めて政治的な影響を目の当たりにした」と語った。ゼリンスキー氏らは被告に禁錮最大9年を求刑したがその後にトランプ氏が「重すぎる」と反発。バー氏が求刑の撤回を決めた。

ゼリンスキー氏は司法省の介入後に辞任したが、後任の検察官について「司法省の最高レベルから求刑を軽くするよう強い圧力を受けていたと知らされた」と証言した。後任は最大9年の禁錮の求刑に関し「不適切だ」と指摘したが、ゼリンスキー氏は「それは後任が大統領を恐れていたからだと聞いた」と主張。「政治的配慮が働いたと聞いている」とも指摘し、バー氏の不適切な関与があったとの見方を示した。

司法省で独禁法を扱うジョン・エリアス氏は燃費規制の強化に向けた西部カリフォルニア州と自動車メーカーの取り組みをめぐり、トランプ氏がツイッターで不満を漏らした翌日にバー氏から調査を命じられたと証言した。バー氏が個人的に嫌うマリフアナ業者の合弁を調査するよう指示を受けたとも指摘し「個人の趣向は調査の合理的な根拠になりえない」と断じた。

司法省の報道官は声明で、ゼリンスキー氏の証言に関して「彼は司法長官やその他の高官と判決に関して議論していない」と指摘した。「彼の主張は一次情報に基づくものではなく本人の解釈だ」として主張を否定した。一方でツイッターではバー氏が7月28日に下院司法委員会の公聴会に出席することにしたと説明した。

野党・民主党のジェロルド・ナドラー下院司法委員長は公聴会冒頭で「バー氏が大統領の私的利益に役立つよう司法省を武器として利用している」と非難した。「バー氏は大統領のための調停者だ」とも断じた。アダム・シフ下院情報特別委員長もツイッターで「バーが仕切る司法省は身内びいきばかりしている」と主張した。

民主党はバー氏がこれまでも多くの懸案でトランプ氏に肩入れたしたことを問題視している。

首都ワシントンの連邦控訴裁判所は24日、トランプ氏の元側近マイケル・フリン氏の裁判をめぐり、司法省の方針に沿って起訴の撤回を認めるよう地裁に命じる判決を下した。バー氏は5月、有罪を一時は認めたフリン氏の起訴を取り下げる方針を示した。トランプ氏はホワイトハウスで記者団に判決を「とても喜ばしい」と語った。

バー氏は米国で政治や安全保障に関わる大型案件を扱うニューヨーク州南部地区のジェフリー・バーマン連邦検事にも辞任を強く迫った。バーマン氏はトランプ氏の元側近ジュリアーニ元ニューヨーク市長やトランプ氏の大統領就任式実行委員会を捜査対象にしたとされる。トランプ氏をめぐるロシア疑惑に関しても事実上の無罪を決めたのがバー氏だった。

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