観光周遊、基点は文具店 パソナ系 琴平振興に一役

2020/6/24 21:10
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パソナグループの地方創生(東京・千代田)は、香川県琴平町で観光客の往来を促す。4月に開業した文具店を基点とし、専門学校の穴吹デザインカレッジ(高松市)と連携することで地域振興に若者を取り込む。県内有数の観光地とはいえ人通りの少ない商店街もあり、町内の周遊を促す仕組みを作ることで地域活性化につなげる。

店舗内でオリジナルノートを製作する(香川県琴平町)

オリジナルノートの表紙はカラフルな色使い

「こんぴらさん」の呼び名で知られる金刀比羅宮に駅から向かう途中、参道を少し外れた商店街に「琴平文具店」は開業した。店をたたんだブティックを改装した。同店がある新町商店街は、金刀比羅宮へむかう導線が変わったことで人の往来が減少。地方創生の近江淳社長は「かつての商店街の活気を取り戻したい」と話す。

文房具を扱うのは、香川県内に印刷会社や紙を扱う企業があり、観光客もお土産として持ち帰りやすいためだ。店内で作るオリジナルノートが目玉で、表紙や留め具のパーツを組み合わせ約1000パターンの中から、自分好みのノートを作ることができる。

表紙カバーは紙だけでなく型押しレザーや表面が滑らかな革素材など、約40種類をそろえる。中のページやノートをまとめるリングの色、留め具や留めひもの素材と色を選択する。ノートは約15分ほどで製本でき、観光した後に手渡すことを想定している。

4月に開業したが、新型コロナウイルスの影響を受けた。4月下旬から金刀比羅宮が感染拡大を防ぐために境内を閉鎖。当初は年間3万人の来店を見込んでいたものの、琴平文具店も一時休業や営業時間短縮などの対応を余儀なくされた。

目指すのは琴平文具店への来店だけでなく、琴平町内の周遊を促す基点になることだ。今後はカフェやゲストハウスの開業も計画しており、複数店舗間の移動を生むことで金刀比羅宮参拝からの導線をつくる。

地元の学生を地域振興の主体とする取り組みも進める。6月中旬に穴吹デザインカレッジと連携協定を締結。学生が製作したアート作品の展示会やワークショップを、今秋にも琴平文具店で開催する計画だ。

香川県の観光客動態調査報告によると、琴平の観光客数は2008年の308万人から18年には226万人まで減少。19年は263万人(速報版)と持ち直したが、新型コロナの影響で20年は落ち込みが予想される。「よそ者」が取り組む観光振興に期待がかかる。

(櫻木浩己)

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